建設業には欠かせない建設業許可ですが、オンラインでも申請が可能になるのはご存じでしょうか。
今回の記事は建設業許可をオンラインで申請する方法や、建設業許可の他にできる手続きについても解説しています。
これから建設業許可取得をお考え方や、日頃なかなか時間が取れずに書類申請・届け出の事でお困りの方は、ぜひ一度目を通していただければと思います。
「オンライン申請って難しそうだな・・・」とお思いの方も、ぜひ一度ご覧下さい。
知識を付けてから実際に試してみることで、苦手意識もなくなり、新しい道が開けるかもしれませんよ。
建設業許可はオンライン(電子)申請が可能に!
建設業許可の手続きは書面での申請が必要でした。しかし令和5年の1月より、大臣許可の電子申請が可能になりました!!もちろん従来の書面での申請を引き続き請ける中で、加えてインターネットでの申請も可能になります。
ただし、知事許可の場合は現段階で2023年1月より電子申請が行えるのは42都道府県になります。東京・大阪・兵庫・京都・福岡の5県は、まだ1月からの電子申請には対応しておりませんので注意してください。
建設業許可を最短で取得したいとお考えの方は、こちらの記事をご覧ください。
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オンライン対象の手続き
建設業許可に関連する様々な手続きがオンラインにて行えるようになります。
オンラインにて手続きができる申請の種類は以下になります。
内容 | 備考 | |
1 | 許可申請 | 新規許可・許可換え・般特許可・業種追加・更新 |
2 | 変更等の届け出 | 事業者の基本情報・経営業務管理責任者・営業所の専任技術者・営業所の代表者等 |
3 | 廃業届 | |
4 | 決算報告 | |
5 | 許可通知書等の電子送付 |
経営事項審査の申請も可能
建設業許可関連の他に、経営事項審査申請・再審査申請・結果通知書等の電子送付も建設業許可と同じく令和5年1月より、オンラインで申請ができるようになります。
申請方法
まずどうやったらいいの?という疑問がでてきますよね。早速その手順を順番に追って簡単に解説していきます。
一度やってみることでやり方がだんだんわかってくると思いますので、できそうだなという方はぜひ一度実践してみてください。
認証システム
電子申請は建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)というもので行います。
まずは経済産業省が提供する行政サービス共通認証システムの「GビスID」にアカウント作成します。
【GビスIDのアカウント作成はこちら】
IDを取得し、「JCIP」のログイン画面へ進んでいってください。そのIDで行政サービスの認証を受けられるようになります。
申請・届け出書類にかかる確認書類
まずは申請書類が必要になります。今までは紙ベースでのご用意でしたが、データ入力によって行います。
※添付が必要なものはアップロードしていくことになります。
様式 | 確認書類 | |
1 | 営業所一覧表(新規許可等) | 営業所の実態を確認する資料 |
2 | 営業所一覧表(更新) | 営業所の実態を確認する資料 |
3 | 変更届出書(第二面) | 営業所の実態を確認する資料 |
4 | 工事経歴書 | 工事経歴を確認する資料 |
5 | 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 施工金額合計を確認する資料 |
6 | 常勤役員等証明書(経営業務の管理責任者等) | ・常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の常勤性を確認する資料 ・常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の経験を確認する資料(商業登記簿謄本等) |
7 | 常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐するものの証明書 | ・常勤役員等(常勤役員等及び当該常務役員等を直接に補佐するもの)の常勤性を確認する資料 ・常勤役員等(常勤役員等及び当該常務役員等を直接に補佐するもの)の経験を確認する資料(商業登記簿謄本等) |
8 | 健康保険等の加入状況 | ・健康保険及び厚生年金保険の加入状況を証明する資料 ・雇用保険の加入状況を証明する資料 |
9 | 専任技術者証明書(新規・変更) | ・専任技術者の常勤性を確認する資料 ・専任技術者の有資格区分を証明する資料 |
10 | 実務経験証明書 | 対象者の実務経験を確認する資料 |
11 | 指導監督的実務経験証明書 | 対象者の実務経験を確認する資料 |
12 | 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書 | ・成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書 ・成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、また、破産者で復権を得ないものに該当しない旨の市町村の長の証明書 |
13 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書 | ・成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書 ・成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、また、破産者で復権を得ないものに該当しない旨の市町村の長の証明書 |
手数料の納付
必要な書類を提出すると、各書類のチェックが行われたあと、登録税や手数料の納付案内が届きます。そこで、国土交通省推奨の「Pay easy」によって納付を行います。
「Pay easy」についてはこちらをご参照ください。
納付確認後、行政庁により、受理・審査・決済が行われます。
通知書が届く
すべての書類の確認や、手数料等の納付が確認してもらえたら、行政庁から連絡と通知が来ます。
これで申請完了となります。
電子申請で登録された情報は、インターネットを通していつでも閲覧する事ができますよ。
バックオフィス連携
通常の申請方法の場合、建設業許可や経営事項審査の申請の際は、登記事項証明書や納税証明書の添付が求められます。しかし、オンラインでの申請の場合は他府省庁等のシステムとのバックオフィス連携によって添付を省略する事ができます。
少しでも用意する書類が減る事は大きなメリットになりますよね。
難しく感じられた方もご安心を!!
「オンライン申請は難しいな…」「やってみたいけど全く分からない」「電子申請もこれからに向けてできるようになっておきたい!」など、このような事でお困りのかたは、専門の行政書士に一度相談してみてはいかがでしょうか。
私たち「おさだ事務所」は、建設業許可を専門として建設業の知識を活かし、困りごとを解決いたします。東京で年間111件以上の実績、24年間培ってきた経験も十分ございますのでご安心ください。あなた様の建設業許可取得に向け、必ずお役に立てるはずです。
建設業許可の他にできる手続き
前述の見出し『経営事項審査の申請も可能』でも触れましたが、許可申請の他に経営事項審査もオンラインで申請可能になりました。ここでは、経営事項審査について詳しく解説していきます。
「経営事項審査」とは、公共性のある施設又は工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、当該発注機関は欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けをしています。
このうち客観的事項の審査が経営事項審査といわれる審査制度であり、この審査は「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項」について数値により評価するものになります。
経営事項審査のオンライン手続きも、建設業許可同様に「JCIP」のログイン画面より進めていくことができます。
こちらも建設業許可同様、オンラインで申請できることを覚えておくと損はないと思いますよ。
まとめ
建設業許可のオンライン申請について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
オンライン申請により、たくさんの書類を用意・印刷したり、証明書関連の書類を提出しに行く手間が省けますので、事業主様にとって大きなメリットだと言えます。
ネットを使った手続きに苦手意識のある方でしたら、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。しかしこれからの時代、記事で紹介したようなネット上の手続きが増えてくるのは間違いありません。
時代の流れに即していくためにも、オンライン申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。