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【中小建設業者向け】宅建業免許は必要?建設業許可との違い・兼業方法を解説 

建設業者が不動産取引を行う場合、宅地建物取引業免許が必要になることがあります。

しかし「どの業務にどの許可が必要なのか」「兼業はできるのか」など、制度の違いが分かりづらいのが現状です。

この記事では、宅建業許可と建設業許可の基本、取得要件、兼業の可否、注意点まで解説します。

宅建業免許と建設業許可の基本と違い

建設業
宅建業
許可
免許

不動産業と建設業は、どちらも「土地や建物」に関わる仕事ですが、扱う業務の性質が異なるため、必要な許可も違います。

整理すると次のようになります。

不動産売買・仲介・代理 → 宅建業許可が必要
建築工事・リフォーム請負 → 建設業許可が必要
両方行う場合 → 両許可が必要(兼業)

建設業者が自社で建てた建物を販売する場合や、不動産業者がリフォーム工事を請け負う場合には、双方の許可を取得しておく必要があります。

宅建業免許とは

宅建業免許は、「宅地建物取引業法」に基づく免許制度です。

不動産の売買・仲介・代理を反復継続して行う場合には、必ずこの免許が必要になります。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 宅地建物取引業法に基づく許可制度
  • 専任宅地建物取引士の配置が必須
  • 許可権者は都道府県知事または国土交通大臣

宅建業免許を取得すると、不動産取引の仲介や販売を正式に行えます。

建設業許可とは

建設業許可は、「建設業法」に基づく許可制度です。

建築工事やリフォームなどを請け負う場合、一定規模以上の工事を行うにはこの許可が必要になります。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 建設業法に基づく許可制度
  • 経営業務管理責任者(常勤役員等)と専任技術者(営業所技術者等)が必須
  • 許可権者は都道府県知事または国土交通大臣
  • 一般建設業と特定建設業がある

一般建設業とは、元請・下請を問わず建設工事を行うための許可です。

特定建設業とは、元請として大規模工事を請け負い、一定額以上の下請契約を締結する場合に必要となる許可です。

建設業許可を取得することで、公共工事への入札や大規模案件の受注も可能になり、事業の信頼性が向上します。

宅建業免許と建設業許可の違い

宅建業免許建設業許可
法的根拠宅建業法建設業法
目的不動産取引の公正・安全の確保建設工事の品質・安全の確保
監督官庁国土交通省・都道府県国土交通省・都道府県
専任者要件宅地建物取引士(常勤)専任技術者・経営業務管理責任者
更新期間5年ごと5年ごと
主な業務範囲売買・仲介・代理建築・土木・リフォームなど

建設業法は、戦後の復興期に建設業者が急増し、技術や経営の質にばらつきがあったため、工事の品質確保と業界の健全化を目的に昭和24年に制定されました。

宅建業法は、国が「取引の公正化」と「消費者保護」を目的に昭和27年に制定した法律です。

制定の背景には、戦後の住宅需要が急増し不動産取引が活発になる中で、悪質な業者による詐欺や契約トラブルが多発した事があげられます。

両方の許可を持つことで、土地の仕入れから建築・販売までを一貫して行えるようになります。

建設業者が宅建業許可を取得するには

建設業
宅建業
許可
免許

建設業者が不動産の売買や仲介を行う場合、宅建業免許が必要になります。

建設業法の許可だけでは「建物を建てる」ことはできますが、「販売・仲介・代理」は宅建業法の範囲に入るため、別途免許を取得しなければなりません。

また、宅建業免許を取得するメリットもあります。

  • 建売事業へ参入できる
  • 自社物件販売が可能
  • 仲介手数料収入を得られる
  • 不動産投資事業へ展開できる

取得に必要な条件や手続きの流れを整理していきましょう。

取得要件

宅建業免許を取得するには、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 専任の宅地建物取引士を配置すること  
  • 独立した事務所を設けること 
  • 欠格事由がないこと 
  • 財務基盤の安定性

本店や営業所において、常勤で1名以上の宅建士が必要です。

建設業の専任技術者との兼任可否は勤務実態によって判断されます。

建設業の事務所と同じ場所でも構いませんが、宅建業としての業務スペースが明確に区分されている必要があります。

また、過去に免許取消や刑罰を受けた場合などは、一定期間申請できません。

さらに事業主には、資本金や経営状況が健全であることが求められます。

許可の種類

宅建業許可には、営業範囲によって次の2種類があります。

都道府県知事免許:1つの都道府県内で営業する場合
国土交通大臣免許:複数の都道府県に事務所を設ける場合

申請先は、都道府県知事許可は各都道府県、大臣許可は国土交通省です。

たとえば、東京都内だけで営業する建設業者なら「東京都知事免許」で十分ですが、神奈川にも支店を設ける場合は「国土交通大臣免許」が必要です。

この場合、常勤の専任取引士を各営業所に配置しなければなりません。

必要な書類・かかる費用

申請時には、次のような書類を提出します。

  • 申請書(様式第1号)
  • 登記簿謄本・定款
  • 専任宅建士の資格証明書(登録証または合格証)
  • 事務所の写真・レイアウト図
  • 役員の略歴書・誓約書
  • 財務諸表・納税証明書

費用の目安は下記のとおりです。

  • 申請手数料 約33,000円(都道府県知事免許の場合)
  • 保証協会加入金 本店の場合は60万円(弁済業務保証金分担金)
  • 行政書士依頼費用 約10〜20万円(任意)

また、保証協会に加入することで、顧客への弁済責任を軽減できます。

申請の流れ

まずは、宅建業を営むための体制を整えることから始めます。

建設業の許可を持っていても、宅建業としての要件を満たさなければ申請できません。

事前準備として下記を確認しましょう。

専任宅地建物取引士の確保  
常勤で勤務できる宅建士を1名以上配置します。
事務所の独立性確認  
宅建業の事務所は、建設業の事務所と同じ場所でも構いませんが、机や電話などが明確に区分されている必要があります。
定款の目的追加  
法人の場合、定款に「宅地建物取引業を営む」旨を記載していないと申請できません。
財務基盤の確認  
資本金や経営状況が健全であることを証明するため、直近の決算書や納税証明書を準備します。

申請書類の作成・提出

準備が整ったら、都道府県庁または国土交通省へ申請書を提出します。

申請書は「宅地建物取引業免許申請書(様式第1号)」を使用しましょう。

主な添付書類は次のとおりです。

  • 登記簿謄本・定款
  • 専任宅建士の資格証明書(登録証または合格証)
  • 事務所の写真・レイアウト図
  • 役員の略歴書・誓約書
  • 財務諸表・納税証明書

提出先は営業範囲によって異なります。

1都道府県内のみ → 都道府県知事免許
複数都道府県に事務所がある → 国土交通大臣免許

審査期間

申請後は、行政による審査が行われます。

審査では、提出書類の内容確認だけでなく、事務所の実地調査が行われる場合もあります。

都道府県知事免許:約45〜60日
国土交通大臣免許:約3〜4か月

審査中に補正や追加書類の提出を求められることもあるため、余裕を持って準備しておくことが大切です。

免許交付・営業開始

審査を通過すると、宅建業免許証が交付されます。

ただし、免許が交付されただけでは営業を始められません。

免許取得後は、営業保証金の供託または保証協会への加入手続きを行います。

保証協会へ加入する場合は、協会所定の開業手続きや届出が必要になることがあります。

これらの手続き完了後に営業を開始できます。

不動産業者が建設業許可を取得する場合もある

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宅建業
許可
免許

もともと宅建業免許を持つ不動産業者が、建設業許可を追加取得するケースもあります。

背景には、リフォームや新築販売を自社で一貫して行う「ワンストップ型サービス」への需要の高まりがあります。

仲介だけでなく施工まで自社で対応できる体制を整えることで、顧客満足度の向上や事業の安定化を図る企業が増えています。

取得要件

建設業許可を取得するには、まず、経営業務管理責任者(常勤役員等)を設置します。

これは建設業の経営経験を5年以上持つ者で、役員や支店長などが該当します。

次に、専任技術者の配置が必要です。

建設業の種類に応じて、一級建築士や施工管理技士などの資格を持つ技術者を常勤で置きます。

さらに、自己資本500万円以上または十分な500万円以上の資金調達能力が求められ、社会保険への加入も義務です。

過去に免許取消や刑罰を受けた場合などの欠格事由がないことも条件となります。

必要な書類・かかる費用

申請には、主に下記の書類が必要です

建設業許可申請書(様式第1号)
登記簿謄本
経営業務管理責任者の経歴証明書
専任技術者の資格証明書
財務諸表
納税証明書
事務所写真
役員の略歴

申請手数料は、都道府県知事許可の場合は約9万円、大臣許可は15万円です。

そのほか、行政書士に依頼する場合は15〜30万円程度がかかります。

申請方法

まず、経営業務管理責任者(常勤役員等)と専任技術者(営業所技術者等)の要件を確認し、資格証明や経歴書を整えます。

定款に「建設業を営む」旨が記載されていない場合は、株主総会で定款変更を行い、法務局で登記します。

書類が整ったら、営業範囲に応じて都道府県庁または国土交通省へ申請します。

1都道府県内で営業する場合は「都道府県知事許可」、複数都道府県に事務所がある場合は「国土交通大臣許可」です。

審査期間は知事許可で約30〜60日、大臣許可で約3〜4か月です。

許可証が交付されると正式に建設業者として営業を開始できます。

なお、許可は5年ごとに更新が必要で、更新時も同様の書類提出が求められます。

建設業と宅建業は兼業ができる?

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建設業と宅建業は、法律上兼業が可能です。

ただし、両方の許可を取得するには、それぞれの法令(建設業法・宅地建物取引業法)の要件を満たす必要があります。

近年では、建設業者が自社で建てた住宅を販売したり、不動産業者がリフォーム工事を請け負ったりするなど、両業種を兼ねる企業が増えています。

兼業が必要な場合

兼業が必要になるのは、次のようなケースです。

建設業者が建売住宅を販売する場合  
不動産業者がリフォームや新築工事を請け負う場合 
ワンストップサービスを提供したい場合  

兼業は「事業の幅を広げたい」「顧客対応を一元化したい」という経営戦略の一環として選ばれることが多いです。

兼業のメリット

顧客対応のワンストップ化
土地探しから施工・販売まで自社で完結できます。
信用力・融資面の強化
両許可を持つことで事業の信頼性が高まり、金融機関からの評価も上がります。
事業拡大の柔軟性
不動産・建設の両分野で案件を獲得できるため、景気変動に強くなります。

兼業によって、顧客から「安心して任せられる会社」として選ばれるケースも増えています。

兼業のデメリット

人員負担の増加
専任宅建士と専任技術者の両方が必要です。
法令遵守の複雑化
宅建業法と建設業法の両方を遵守する必要があり、事務手続きが増えます。
事務所要件の厳格化
両業務を同じ場所で行う場合、机・電話・帳簿などの区分が明確でなければ審査に通りません。
更新・維持コスト
両方の許可を5年ごとに更新するため、手数料や書類準備の負担が増えます。

兼業を始める前に、人員配置・事務所レイアウト・法令対応体制を整えることが重要です。

許可取得後の注意点

両方の許可を取得した後も、継続的な管理が求められます。

更新手続き  
宅建業許可・建設業許可ともに5年ごとに更新が必要です。
更新時には、専任者の常勤性や事務所の独立性が再確認されます。
変更届の提出  
役員変更・事務所移転・専任者交代などがあった場合は、速やかに届出を行う必要があります。
法令遵守体制の維持  
契約書面の交付や施工管理などを適正に行うことが求められます。
行政処分の防止  
違反があると免許停止や取消処分を受ける可能性があります。

兼業は正しく運用すれば、事業の信頼性と収益性を高められます。

宅建業免許と建設業許可に関するよくある質問

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専任技術者と宅建士の兼任はできる?

専任技術者(営業所技術者等)との兼任可否は、勤務実態によって判断されます。

どちらの資格も「常勤・専任」が条件であり、同一人物が両方の職務を同時に担うことは原則としては認められていません。

ただし、法人内に複数の事業所がある場合など、勤務実態が明確に分かれている特殊なケースでは、行政に相談のうえ判断されることもあります。

一般的には、宅建業には宅建士、建設業には専任技術者をそれぞれ配置する体制が必要です。

専任者の常勤性とは?

常勤性」とは、専任者がその事業所に常時勤務していることを意味します。

具体的には、他社との兼業や副業をしていないこと、勤務時間が十分に確保されていることなどです。

在宅勤務や短時間勤務の場合でも、実質的に常勤と認められるかどうかは行政の判断によります。

審査では、給与明細や雇用契約書などで勤務実態を証明することが求められます。

事務所の独立性が認められない場合は?

机・電話・帳簿・看板などが明確に区分されていないと、「独立した事務所」として認められません。

もし独立性が不十分と判断された場合は、下記の改善が必要なケースがあります。

  • 間仕切りの設置
  • 電話番号・郵便受けの分離
  • 業務スペースの明確化

事務所の写真やレイアウト図を提出する際は、区分が一目でわかるようにしておくことが大切です。

定款変更は必要?

法人が新たに宅建業や建設業を始める場合、定款に事業目的を追加する必要があります。

たとえば、建設業者が宅建業を始めるなら「宅地建物取引業」、不動産業者が建設業を始めるなら「建設業」を定款に明記します。

定款変更は株主総会の特別決議が必要で、変更後は法務局で登記手続きを行います。

定款に記載がないまま申請すると、審査で不備とされるため注意が必要です。

保証協会に加入しないこともできる?

宅建業許可を取得した場合、営業開始前に営業保証金の供託または保証協会への加入が必要です。

保証協会に加入すると、顧客への弁済責任を軽減できるため、多くの事業者が加入を選択しています。

主な保証協会は次の2つです。

  • 全国宅地建物取引業保証協会 
    加入者数が多く、全国対応
  • 全日本不動産協会(保証協会)
    不動産業者向けのサポートが充実

加入時には弁済業務保証金分担金が必要ですが、法務局への供託よりも手続きが簡単で、資金負担も軽くなります。

建設業許可と宅建業免許を両方取得する場合は、それぞれの法令要件を満たす必要があり、確認すべきポイントも数多くあります。

要件の見落としや書類の不備があると、申請手続きが長引く原因にもなりかねません。

おさだ事務所では、建設業許可を中心に各種許認可手続きをサポートしており、宅建業免許との兼業を検討されている事業者様のご相談にも対応しています。

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