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【建設業者向け】国の入札資格「インターネット一元受付」と「全省庁統一資格」はどう違う?

国の仕事に参加するには、「どんな業務を請け負うか」によって必要な資格が異なります。

建設業者が関わる入札には、主に「インターネット一元受付」と「全省庁統一資格」の二つの入札参加資格申請があります。

「インターネット一元受付」は、参加する国の機関、高速道路会社、独立行政法人等の24機関において技術系業務の入札に必要な資格です。

建設業者や建設コンサルタント、測量会社など、専門的な技術を提供する業者が対象になります。

「全省庁統一資格」は、物品の製造・販売や役務提供の入札に必要な資格です。

国交省・厚労省・防衛省・文科省など、すべての中央省庁で共通して使える資格です。

どちらも国の入札に参加するための資格ですが、扱う業務によって申請先やその方法が変わります。

今回はこの二つの入札参加資格申請について制度の概要と違いについて解説します。

インターネット一元受付(定期申請)の詳細

インターネット一元受付による入札参加資格申請では建設業者が国関連の公共工事や技術業務に参加するための入札参加資格を得られます。

全国の発注機関に対応できる効率的な申請方法として運用されています。

対象業務

令和9・10年度の定期申請では、以下の業務が対象となります。

  • 建設工事
  • 測量業務
  • 建設コンサルタント業務
  • 地質調査業務
  • 補償コンサルタント業務

これらは「公共工事や技術サービスを提供する事業者」が対象です。

有効期間(令和9〜10年度:2年間)

次の定期申請の対象は令和9・10年度分の資格です。

令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間有効です。

資格審査は2年ごとに更新され、定期申請を逃すと「随時申請」扱いとなり、有効期間が短縮されます。

そのため、令和8年11月の定期受付期間中に申請することが重要です。

申請方法(インターネット一元受付)

申請はすべてオンラインで行います。

国土交通省の「インターネット一元受付システム」を利用し、企業情報・業務実績・財務諸表などを入力・提出します。

申請はオンラインで行い、一部書類(登記事項証明書・納税証明書など)は書留にて郵送します。

審査結果通知は、該当初年度の3月頃に申請先の各機関から文書または電子メールで通知されます。

オンライン化により、全国どの地域の事業者でも同じ手続きで申請でき、複数機関への申請を一度で完了できます。

参加機関

令和9・10年度分のインターネット一元受付には、国交省関連機関を中心に概ね24の発注機関が参加しています。

主な機関は以下のとおりです。

  • 国土交通省本省(大臣官房会計課・官庁営繕部など)
  • 各地方整備局(北海道・関東・中部・近畿・九州など)
  • 北海道開発局
  • 国土地理院
  • 港湾局・航空局・運輸局・海上保安庁・気象庁
  • 法務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省・防衛省・内閣府
  • 独立行政法人(都市再生機構・水資源機構・鉄道建設・運輸施設整備支援機構など

一度の申請で上記機関の資格をまとめて取得できます。

2026年7月発表の最新情報

令和8年7月6日に国土交通省が次の定期申請の概要をプレスリリースしています。

受付期間:
パスワード発行申請 令和8年11月2日(月)〜令和8年12月28日(月)
納税証明書の送信 令和8年11月2日(月)〜令和9年1月15日(金)
申請データの受付 令和8年12月1日(火)〜令和9年1月15日(金)
ヘルプデスク開設期間 令和8年11月2日(月)〜令和9年1月15日(金)
対象業務
建設工事、測量、建設コンサルタント、地質調査、補償コンサルタントなど
有効期間
令和9年4月1日〜令和11年3月31日(2年間)

納税証明書は今までは「その3」または「その3の2」でしたが、令和9・10年度定期申請分から「その2」も追加されます。

詳細は令和8年10月初旬に出される申請書作成の手引きを参考にしてください。

【参考】インターネット一元受付プレリリース(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002010195.pdf

全省庁統一資格(定期申請)の詳細

全省庁統一資格は、物品の製造・販売や役務提供(サービス業務)を対象とした入札参加資格です。

建設業者でも、工事以外の物品納入や維持管理業務を行う場合に必要になります。

対象業務(物品・役務

主な対象業務は次のとおりです。

  • 物品製造・販売(資材・機器・消耗品など)
  • 清掃業務(施設・公園・道路など)
  • 警備業務(施設警備・交通誘導など)
  • 設備保守(空調・電気・給排水設備など)
  • システム保守(ネットワーク・ソフトウェア・機器管理など)

これらは「物品・サービスの提供」を目的とした業務であり、技術系業務(測量・設計など)を対象とするインターネット一元受付とは区別されます。

有効期間(前回:令和7〜9年度:3年間)

前回の定期申請(令和7〜9年度分)は、令和7年4月1日から令和10年3月31日までの3年間有効です。

この資格は3年ごとに更新される仕組みで、定期申請を逃すと「随時申請」扱いとなり、有効期間が短縮されます。

そのため、入札を希望する場合は定期申請期間(前年11月頃)に申請するとよいでしょう。

申請方法(GEPSオンライン)

申請はすべてオンラインで行います。

政府電子調達システム(GEPS:Government Electronic Procurement System)を利用し、企業情報・業務実績・納税証明書などを入力・提出します。

前回の定期申請の受付期間は、令和6年11月上旬〜12月上旬でした。

提出方法はオンライン申請で、結果通知は翌年3月頃にメールまたはGEPS上で確認できます。

オンライン化により、全国どの地域の事業者でも同じ手続きで申請できるのが特徴です。

参加機関

この資格は、すべての中央省庁で共通して利用できるのが特徴です。

主な参加機関は以下のとおりです。

  • 国土交通省
  • 厚生労働省
  • 防衛省・文部科学省
  • 農林水産省
  • 経済産業省
  • 環境省
  • 総務省
  • 法務省
  • 財務省
  • 内閣府 など

一度の申請で全省庁の物品・役務入札に参加できる資格を取得できます。

定期申請期間外は随時申請

次回の定期申請(令和10〜12年度)はまだ詳細が出ていません。

随時審査は、定期審査の受付期間終了後に行う申請方法で、  資格が付与された時点から令和10年3月31日まで有効となります。  

令和7〜9年度の随時申請受付期間は令和10年3月10日(金)までで、定期申請が終わるとこの期間に切り替わります。  

ただし、資格付与までに時間がかかる場合があり、希望する入札に間に合わないこともあるため、余裕をもって申請することが推奨されています。  

特に定期審査直後は結果通知まで数か月かかる場合もあるため、  可能であれば定期審査で申請するようにしましょう。

比較表

両方の資格を取得しておくと、国交省案件から他省庁の物品・役務案件まで幅広く対応できます。

項目インターネット一元受付全省庁統一資格
対象年度令和9〜10年度(定期申請)令和7〜9年度(前回定期申請)
対象業務建設工事/測量/建設コンサル/地質調査/補償コンサル物品製造・販売/清掃/警備/設備保守/システム保守
有効期間2年間(令和9年4月1日〜令和11年3月31日)3年間(令和7年4月1日〜令和10年3月31日)
申請方法インターネット一元受付システム(e-Gov連携)GEPSオンライン(政府電子調達システム)
範囲国の機関、高速道路会社、独立行政法人など全省庁共通(国交省・厚労省・防衛省・文科省など)

どちらの入札参加資格審査を受ければよいか

国の入札に参加するには、業務内容に応じて「インターネット一元受付」または「全省庁統一資格」のどちらか、または両方の資格が必要です。

以下の分類で判断すると分かりやすいです。

技術系業務 なら「インターネット一元受付」

測量・設計・監理・建設コンサルタント・地質調査・補償コンサルなど、技術力を提供する業務を行う場合は国土交通省の「インターネット一元受付」を申請します。

参加機関が発注する建設工事や技術サービスを請け負う建設業者は、こちらが対象です。

物品・役務 なら「全省庁統一資格」

資材販売・清掃・警備・設備保守・システム保守など、物品やサービスを提供する業務を行う場合は「全省庁統一資格」を申請します。

この資格は国交省だけでなく、厚労省・防衛省などすべての省庁で共通利用できます。

両方扱う会社 なら「二つとも必要」

建設業者の中には、「工事(技術系)」と「物品納入・清掃(役務系)」の両方を扱う企業もあります。

その場合は、インターネット一元受付と全省庁統一資格の両方を取得することで、国土交通省をはじめとした案件から他省庁の物品・役務案件まで幅広く対応できます。

インターネット一元受付と全省庁統一資格に関する注意点

「インターネット一元受付」と「全省庁統一資格」はそれぞれ対象業務や申請方法が異なるため、誤って申請すると希望する入札に参加できない場合があります。

特に、国の公共工事を請け負いたい建設業者は「インターネット一元受付」が必須であり、

物品販売や清掃・警備などの役務提供を行う事業者は「全省庁統一資格」が必要です。

また、定期申請を逃すと随時申請となり有効期間が短縮されるほか、インターネット一元受付ではパスワード発行申請の期間が短くなっているため、事前準備を怠ると申請が間に合わないリスクがあります。

この章では、両制度の注意点と申請前に確認すべきポイントを整理します。

「国の公共工事」をしたいのならインターネット一元受付

公共工事(建設工事・測量・設計・監理など)を請け負いたい場合は、国土交通省の「インターネット一元受付」で資格を取得する必要があります。

この資格がないと、国交省や地方整備局の工事入札には参加できません。

国の公共工事の規模

2026年度(令和8年度)の最新データによると、国の公共工事・公共事業の総額は約8.6兆円規模です。

内訳は以下のとおりです。

当初予算分:約6.1兆円(前年度比0.4%増)
補正予算分:約2.5兆円
  → 合計 約8兆6,498億円(前年度比約2.5%増)

このうち、国土交通省分の公共事業関係費は約5.3兆円で、一般会計総額は約6兆円に達し、東日本大震災以降で最大規模となっています。

また、国交省の建設総合統計(令和8年4月分)では、公共工事出来高総計が約1兆7,322億円と前年同月比8.2%増を示しており、公共投資の増勢が続いています。

【参考】国土交通省「建設総合統計」

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002006926.pdf?utm_source=copilot.com

全省庁統一資格は技術系業務の資格ではない

全省庁統一資格は、物品の製造・販売や役務提供(清掃・警備など)を対象とした資格です。

技術系業務(測量・設計・工事など)には使えません。

「国交省の仕事だから統一資格でいい」と誤解しがちですが、技術業務の場合は必ずインターネット一元受付を選びましょう。

定期申請を逃すと随時申請になり期間が短縮される

定期申請期間を過ぎると「随時申請」で資格を取得できますが、有効期間は次回定期申請までと短くなります。

入札案件は年度初めに集中します。

審査に時間がかかる場合があるため、希望する入札に間に合わないこともあります。

余裕をもって定期申請期間中に手続きを行うのが安全です。

事前準備が重要

入札参加資格申請は申請期間が限られているので事前準備が重要です。

申請に必要な書類(登記事項証明書・納税証明書など)は発行に時間がかかることが多く、受付開始後に慌てて準備すると期限に間に合わないケースもあります。

さらに、申請内容の入力には企業情報・技術者情報・過去の業務実績など多くの項目があり、事前に整理しておくことで入力ミスや再提出を防げます。

事前準備は、期限内に正確な申請を行うために重要です。

特に令和8年11月開始の定期申請では、パスワード発行や書類準備を早めに進めることが、スムーズな資格取得への第一歩となります。

インターネット一元受付開始までにしておくこと

インターネット一元受付(令和9・10年度分)の申請は、令和8年11月から始まります。

受付開始前に以下の準備を整えておくことで、申請作業がスムーズに進みます。

ログイン情報・認証手段の確認 

インターネット一元受付システムの利用に必要なログイン情報や認証手段(利用者登録や電子証明書など)を事前に確認しておきましょう。

最新の申請方法は「申請書作成の手引き」に従って準備することが重要です。

必要書類の準備  

 登記事項証明書、納税証明書、決算書などを最新年度分で用意します。

 郵送提出が必要な書類は早めに発行手続きを行うのが安全です。

業務実績の整理  

 過去2年間の契約実績や技術者情報をまとめ、入力しやすい形にしておきます。

社内体制の確認  

 申請担当者・代表者・経理担当者の連携を明確にし、問い合わせ対応を迅速にできる体制を整えます。

申請スケジュールの共有 

 社内で申請期限(令和9年1月15日まで)を共有し、余裕をもって作業を進めましょう。

入札参加資格申請に関するよくある質問

建設業許可がなくても入札参加資格申請はできる?

対象業務によっては建設業許可がなくても申請は可能ですが、申請できる業務の範囲が制限されます。

建設業許可が必要な業務:建設工事

許可が不要な業務:測量、設計、建設コンサルタント、地質調査、補償コンサルタントなど

建設業許可がない場合でも、技術サービスや調査業務であれば入札参加資格を取得できます。

ただし、工事を請け負う場合は、建設業法に基づく許可が必須です。

経営事項審査と入札参加資格申請は違うの?

目的も手続きもまったく異なります。

経営事項審査(経審)は、建設業者の経営状況や技術力を数値化して「評点」を算出する制度です。

この評点は、公共工事の入札で業者を選定する際の基準として使われます。

審査は都道府県または国土交通省が行い、経営状況・技術職員・工事実績などを評価します。

一方、入札参加資格申請は、国や地方公共団体の入札に参加するための「登録手続き」です。

建設工事の入札を希望する場合は、まず経審を受けて評点を取得し、その後に入札参加資格申請を行うという流れになります。

 

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