「専任技術者をお願いしようとしている人が75歳以上なんだけど、建設業許可の取得ができるんだろうか?」
75歳以上でも専任技術者要件を満たしていれば、専任技術者になることは可能です!!ですが、その要件を証明する必要書類の準備が大変かもしれません!!
「今の専任技術者から退職希望が出てるんだけど、後任者を探さないと建設業許可が取り消されてしまう!!」
これから後任の専任技術者を探す場合は大変ですね!!これからの建設業では75歳以上のシニアの方の経験や知識を生かす場面が増えてくると思います。そういった視点で後任者を探してみるのもいかがでしょうか?
建設業は人材不足で、高齢者の就業者も増えています。特に中小企業では、今は困っていなくても、将来的にはシニア社員に活躍してもらう機会が増えてくることは間違いありません。そうなると、今後、75歳以上のシニアの経験や知識を生かして、経営管理責任者や専任技術者をお願いするケースも増えてくるでしょう。ただ、注意が必要なのは、75歳以上の後期高齢者が専任技術者に就任するためには、通常の必要書類では許可されない場合があります。
どのような手続き、書類が必要になるのか一緒に確認してみましょう!!
75歳以上でも「常勤性」と「専任性」の証明ができればOK!!
結論から言うと、75歳以上の方でも、専任技術者として従事してもらうことができます。ただし、建設業許可を取得するためには、専任技術者の常勤性や専任性を証明する必要があります。つまり、「営業所に常勤していること」、「営業所に専任であること」を示す書類の提出が求められます。この必要書類が一般社員と異なるため、75歳以上の後期高齢者では注意が必要です!!
ポイントは、従業員として働く会社の名称、住所が記載されている公的文書が必要になるということです。どのような書類を取りそろえるべきかは実際にその従業員の状況に応じて対応する必要がありますので、しっかりと準備しましょう!!
建設業許可取得における専任技術者の「常勤性」と「専任性」について
75歳以上でも「専任技術者」になれる!!
専任技術者に年齢要件はありません。そのため、75歳以上の方でも、専任技術者として従事してもらうことができます。ただし、建設業許可を取得するためには、「営業所に常勤していること」、「営業所に専任であること」を証明する必要があります。これを専任技術者の「常勤性」と「専任性」と言います。これらを証明する書類として、営業所での「常勤性」と「専任性」を証明するための書類提出が必要になります。
専任技術者の詳しい要件、変更の際の手続き方法について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください!!
75歳以上で「専任技術者」になるための要件
専任技術者とは、建設工事について専門知識を持った従業員であり、見積、入札、請負契約締結などの営業業務を行う人のことです。まず専任技術者になるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 一定の資格または実務経験があること
- 営業所で常時勤務できること
- 営業所の専任となっていること
この中に年齢要件はありません。つまり、75歳以上でもこれらの要件を満たすことができれば、専任技術者となることができます。
専任技術者の「常勤性」と「専任性」をどう証明するか?
一般的には、健康保険被保険者証の写しを提出することで証明します。この会社に常駐、専任していることの証として、保険証には会社名、住所が記載されているからです。必ずしも健康保険の保険証でなくてもよいですが、勤務している会社名、その住所が明記されている公的な書類が必要になります。ですが、75歳以上の場合、会社の健康保険ではなく、後期高齢者医療保険に加入することを義務付けられています。この保険証には、会社名、その住所は記載されていません。
つまり、別の公的な書類で、「常駐性」、「専任性」を証明しなければいけません。
必要になる書類
明確にこの書類で証明すべきというものはありません。ですが、以下の公的な書類で証明ができます。
- 賃金台帳(3カ月程度の賃金支払い実績が証明できること)
- 住民税の特別徴収切替届出(依頼)書
- 住民税の特別徴収の通知書
住民税の特別徴収とは、従業員の住民税を給与から天引きして事業主が直接納入する制度です。75歳以上でも従業員として働く場合には、特別徴収を行う必要がありますので、これによって「常勤性」と「専任性」を証明できます。
後期高齢者が専任技術者として就任するケースとしてはまだ少ないため、行政書士や各市町村の窓口と事前にしっかり相談しましょう!!
75歳以上の専任技術者が今後も増える理由と「注意点」
現在、75歳以上の専任技術者は増加傾向にあります。これは、高齢者が活躍できる場を求めている一方で、企業も経験が豊富な高齢者の知識とスキルを活用したいと考えているからです。しかし、高齢者が働くことには一定の制限があり、そのバランスを取ることが求められています。
75歳以上の専任技術者が増える背景
以下に、75歳以上の専任技術者が増える背景をいくつか挙げてみます。
- 少子高齢化によって、建設業で若手の就業者が減り、高齢化が進んでいること
- 円安やデフレのため、外国人労働者がわざわざ賃金の低い日本に来て働くメリットが薄れていること
- 長年建設業で培った経験と知識を持つシニアの技術力は、大きな価値があること
75歳以上の専任技術者を受け入れる場合の「注意点」
社会的には、75歳以上の高齢者が働くことで生活を充実させ、社会貢献できるという肯定的な意見があります。一方で、過度な労働は健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、適切な労働環境の整備や労働時間の管理が必要だという意見もあります。75歳以上の専任技術者を受け入れる企業では、高齢者がより良い労働環境で無理なく働けるようにするための取り組みが求められていると言えるでしょう。
まとめ
ここまでの記事の内容をまとめると以下の通りです。
- 建設業許可の専任技術者に年齢制限はないため、75歳以上でも就任できる
- 専任技術者の「常勤性」と「専任性」を証明するための書類提出が必要になる
- 証明書類としては、3カ月以上給与支払い実績を示すことができる賃金台帳や、住民税の特別徴収手続きの書類が利用できる
- 建設業では今後ますます高齢化が進み、75歳以上の専任技術者が増えていく
- 75歳以上の専任技術者が無理なく働けるための労働環境の整備が求められる
少子高齢化の日本の状況から、将来的にはどの企業でもシニア層の活用について検討する場面が増えてくると言えるでしょう。今からしっかりと情報収集して備えておきたいですよね。もしわからないことや悩んでいることがあれば、「おさだ事務所」までお気軽にご相談ください。