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【建設業許可】法改正に伴う要件緩和の内容について以前との違いを解説!

令和2年秋の建設業法改正に伴い建設業許可に関する要件緩和がなされました。許可の取得を検討中の方はもちろん、すでに取得済みの方も改めて最新の要件をチェックしておく必要があります。

建設業許可はただでさえ内容が複雑です。「許可を取得したいけどまだ要件を確認していない」「今までとどこが変わったのかよくわからない」といった方は混乱してしまいますよね。

この記事で最新の要件と、緩和された部分について詳しく解説しています。要件は許可の取得において重要な部分になりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

葛西

変更点を1つずつチェックしていきましょう!

建設業許可取得における要件緩和

法改正に伴って緩和された要件は「経営管理責任者」いわゆる「経管」です。

まずは新しい許可要件について見ていきましょう。現在の要件は次の6つとなっております。

  1. 経営管理責任者
  2. 専任技術者
  3. 誠実性
  4. 財産要件
  5. 欠格要件
  6. 社会保険の加入

「社会保険の加入」は、今回の改正で新たに追加された要件になります。

この6つの中で緩和された要件が、1つ目の経管です。要件の中でも特にハードルが高いとされる経管ですが、実はこれまでにも何度か緩和されてきました。

それでも基準が厳しすぎるとの意見が多かった印象ですが、今回の改正では大きく基準が見直され選択の幅が広がったといえるでしょう。

社会保険の加入については後程解説します。

経管の基準見直し

以前は経管の要件として、許可を申請する建設業に関して次のいずれかの経験を持っている常勤役員が必要でした。

  • 経営管理責任者として5年以上の経験
  • 経営管理責任者に準ずる地位にあって、6年以上の管理責任者補助業務の経験

令和2年秋の改正でこの経管の基準が見直され、以前の要件と同様の経営能力がある体制が整っていると判断できる場合は、基準を満たしているとみなされるようになりました。

ここで求められる体制には単独の「常勤役員」で要件を満たす場合と、「常勤役員+直接補佐者」で要件を満たす場合の2通りあり、それぞれ条件が異なります。

出典:国土交通省|許可基準の見直しについて(PDF)

単独の常勤役員の場合

単独の常勤役員を設置する場合、以前と違う部分は建設業に関する経験として求められている点です。これまでは許可を申請する建設業ごとの経験が必要でした。建設業のうち、29種類ある業種ごとにそれぞれ経験が必要だったということです。

改正後は建設業の経験が業種を問わず統一して見られるようになったため、以前よりも要件を満たしやすくなったといえます。

常勤役員+直接補佐者の場合

単独で経管の要件を満たせる役員がいない場合、上記の規定を満たす常勤役員と直接補佐者を設置することで、これまでの経管の定義と同様の経営能力がある体制が整っているとみなされるようになりました。

以前の規定では、単独の常勤役員が許可を受ける建設業に関して5年以上の経験が必要でしたが、常勤役員と直接補佐者を設置する場合、常勤役員は2年以上の建設業に関する経験があれば、残りの3年間は建設業以外の役員経験でも問題ないとされています。その代わりに、補佐する者として財務、労務、運営それぞれに経験のある人員が必要になりました。

ポイント

補佐する者は、単独で全ての経験を満たす人員を設置することも可能です。もちろんそれぞれの経験について、別の人員をあてることで合計3人の人員を設置しても問題ありません。

注意点

今回の改正で経管の要件が緩和され「建設業の経験が5年以上あるから全業種で申請できる」と思った方もいるかもしれませんが、実際はそこまで甘くありません。

建設業許可の要件には、経管の他に「専任技術者」が必要です。専任技術者には大きく分けて国家資格を持つ者、または10年の経験がある者が必要です。

国家資格は、資格ごとに申請できる業種が決まっているため、単体の国家資格ではすべての業種をカバーすることはできません。また10年の経験の場合も、各業種に10年の経験を持つというのは難しいでしょう。

そのため複数の業種において申請する場合は、各業種で要件を満たしているかきちんと確認する必要があります。

各要件についてはこちらの記事でより詳しく解説しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。

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確認資料に関して

これまで経管の要件を満たせていなかったけれど、今回の改正によって要件を満たせるようになったという事業者の方も増えたといえるでしょう。

もちろん、これまでの要件を満たしていた場合も問題ありません。しかし、「常勤役員+直接補佐者」のケースで許可を取得する場合、経管の体制が整っているかを確認する資料の中でも経験についての確認資料が多くとてもややこしくなってしまいます。

都道府県ごとに求められる確認資料が異なる場合があるため注意が必要です。今回は東京都で申請する際に必要となる確認資料を例にまとめてみました。

常勤役員+直接補佐者の確認資料

常勤役員の他に直接補佐者を設置する場合は、経管の体制が整っていることの証明として次の確認資料が必要になります。

  • 常勤性を確認できる資料
  • 常勤役員等及び直接補佐者の地位にあることを示す資料
  • 経営等の経験について確認できる資料

常勤性を確認できる資料

役員等の常勤性を証明する資料として法人、個人事業主ごとにそれぞれ次の書類が求められます。

法人・健康保険証
(健康保険証に事業所が明記されていない場合は、所属のわかる資料が必要になります。)
個人・健康保険証
・直近の個人確定申告書

常勤役員等及び直接補佐者の地位にあることを示す資料

常勤役員等、直接補佐者それぞれがその地位にあることについて確認するための資料が必要になります。

常勤役員等法人の場合、役員に関する事項のわかる発行後3か月以内の履歴事項証明書等または株主総会や取締役会の議事録等
個人の場合、ほかの事業者に在籍しておらず事業主であったことがわかる確定申告書、支配人である場合はその事実を確認できる履歴事項証明書等
直接補佐者組織図等

経営等の経験について確認できる資料

経営等の経験の確認に必要な資料の例として以下のものが挙げられます。

建設業に関する役員等の経験の確認資料確定申告書(個人の場合)
工事の請負契約書
履歴事項証明書など
建設業以外での役員等の経験の確認資料履歴事項証明書など
役員等に次ぐ地位にあった経験の確認資料株主総会、取締役会の議事録
執行役員業務分掌規程など
財務や労務の管理、業務運営の経験の期間を確認するための資料業務分掌規程
稟議書
人事発令書など

このように確認資料だけでもかなりの量になってしまいます。その他申請に必要な書類や準備の手順についてはこちらの記事で解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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東京都で建設業許可を取得するなら

建設業許可の取得はただでさえ基準が厳しく、申請に必要な書類なども煩雑なため準備の段階で大変な手間と時間を要します。特に東京都の建設業許可は取得が困難といわれており、仕事が忙しい事業主の方が自分ですべて準備するのは現実的とは言えません。

弊社では建設業を専門に扱っている行政書士が常駐しており、東京都の許可取得に特化しているため徹底的なサポートが可能です。

申請代行を利用すると申請が通る可能性が高くなり、手間と時間も削れます。スピードと正確性を重視するならぜひ一度ご相談ください。

清水

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法改正に伴い追加された要件

冒頭でも触れたように今回の改正で、社会保険の加入が新しく要件に追加されました。法人の場合次の3つに加入している必要があります。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

個人事業主で従業員を雇っていない場合は、国民健康保険と国民年金へ加入していれば問題ないとされています。

以前は社会保険のうち未加入のものがあっても、事後に加入届を提出すれば許可を申請できましたが、改正後はすべてに加入していないと申請を受け付けしてもらえないため必ず加入しておきましょう。

ポイント

社会保険の加入義務は令和2年秋の法改正で追加された項目のため、それ以前に許可を取得していた方も注意が必要です。もし未加入だった場合、適切な社会保険に加入するよう指導が入る可能性もあるので必ずチェックしておきましょう。

まとめ

法改正に伴う要件の緩和内容と、追加された要件について解説しました。

主なポイントは以下の3つになります。

ポイント

  • 経管の要件が緩和され同様の経営能力を担保できる体制が整っている場合でも要件を満たせるようになった
  • 常勤役員と直接補佐者で要件を満たす場合、確認資料が煩雑になるため注意が必要
  • 社会保険の加入が要件に追加された

今回の改正で、要件が緩和されたと同時に書類関係が一部複雑になったといえます。

それでも許可を取得できる幅が広がったのは事実です。とはいえ内容が複雑で申請の準備が大変なことは変わりありません。もしご自身での許可取得が難しいと感じたら申請代行を利用するのも1つの手ですので、無理に抱え込まずお気軽にご相談ください。

この記事を通して、1人でも多くの事業主の方が許可を取得できるようお役に立てれば幸いです。

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