建設会社は創業時、建設業許可を取得し、資格や規定に基づき営業しています。
しかし許可取得したとしてもずっとそのままなわけではなく、一定の期間に一度許可の維持を継続する必要があるのです。万が一忘れてしまったり、要件が満たされておらず更新できなかったなどのケースがあるということも少なくありません。その場合、無許可状態になり一定金額の工事しか請け負うことができなくなります。
再度許可を取得するにしても一度廃業し、以前の許可番号が変わっての新規取得となりますので、会社のホームページや名刺などの番号を変えるなど労力的にも費用的にも大きなデメリットが出てしまいます。
そのような事態を回避するべく、必要書類や押さえるべきポイントをわかりやすく解説します! この記事を最後まで読んで許可更新を万全の体制で臨んでくださいね。
事前チェック!有効期間と提出期間
建設業許可の有効期限は5年間でありであり、許可の「有効期間」が建設業の許可通知書に載っているのはご存じでしょうか。
その初めの年月日が有効期間の起算年月日です。「許可年月日」から5年目の同日の前日をもって満了となります。
例えば許可年月日が 令和5年4月1日の場合 令和10年3月31日まで許可が有効となります。
更新申請の期間におきましては原則有効期間終了の3か月前~30日前までに行います。
提出期限が満了日30日前ということで、30日後が祝祭日の理由で終了日が行政の閉庁日の場合でも、終了日をもって許可が無効になってしまいますので、十分に余裕を持った工程で手続きを終わらせることが重要です。
受理された許可申請は、既存の許可証の期限が過ぎても申請後の手続きが終わるまで既存の許可の効力が継続という決まりになっています。
発注元にしても多くの業者の書類を抱えていることが多く、膨大な作業であることは間違いありません。
間に合うように申請しても新しい起算日に会社に許可証が届かなかったり、個別の連絡で更新されたことを確認するケースもあるようなので、そのあたりも行政担当者と連絡を取り合って進めたほうが安心かもしれませんね。
一般的に申請に必要な書類
書類 | 備考 | |
---|---|---|
様式第1号 |
建設業許可申請書 |
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様式第1号別紙1 |
役員等の一覧表 |
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様式第1号別紙2(2) |
営業所一覧表(更新) |
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様式第1号別紙3 |
収入印紙貼付 |
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様式第1号別紙4 |
専任技術者一覧 |
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様式第4号 |
使用人数 |
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様式第6号 |
誓約書 |
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様式第20号 |
営業沿革 |
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様式第20号の2 |
所属建設業者団体 |
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様式第20号の3 |
健康保険等の加入状況 |
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様式第20号の4 |
主要取引金融機関名 |
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定款 |
法人のみ、前回のコピーOK |
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様式第7号 |
経営業務の管理責任者証明書 |
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様式第7号別紙 |
経営業務の管理責任者の略歴書 |
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卒業証明書 |
別とじ、前回申請時のコピーOK専任技術者について所定学科の卒業要件で証明する場合 |
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資格証明書 |
前回申請時のコピーでOK、国家資格者・監理技術者が資格要件で証明する場合 |
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様式第12号 |
許可申請者(※)の住所等に関する調書 |
様式第7号別紙に記載のある者は不要 |
様式第14号 |
株主(出資者)の詳細 |
法人のみ |
履歴事項全部証明書 |
法人のみ |
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上記の書類のほか、更新手続きに必要な書類がある場合は、発注元の国や地方自治体によって異なりますので、事前に確認する必要があります。
建設業許可維持に必要な要件
1 過去5年間の決算変更届を提出している
- 事業年度終了後120日以内の届出
建設業許可を取得後、決算変更届を許可を受けた都道府県に毎年提出します。
更新の条件であり、これを果たすことが必須で、決算変更届を提出してからでないと更新申請を受諾できません。決算変更届を提出していないと更新の際に何年分もまとめて提出するはめになってしまいます。
忘れないように5年間毎年提出することが大切です。
2 重要事項に関する変更届を提出している
許可の取得後に会社名、営業所の沿革情報、経営業務の管理責任者に関する情報などの重要事項が変更になることがあります。その場合に変更届が未提出だと更新申請を受諾してもらえません。
重要事項は以下の通りです。変更内容によって提出期限が定められています。
【変更後30日以内に届出が必要】
● 会社名・屋号・商号
● 営業所情報(支店・沿革など)
● 資本金
● 取締役情報
3 経営管理責任者と専任技術者の要件(設置と常勤性)の証明
【変更後2週間以内に届出が必要】
● 経営管理責任者に関する情報
● 専任技術者に関する情報
経営管理責任者および専任技術者を設置することはもちろん確実に常勤しているということを証明することが非常に重要な要件と言えます。
登記簿謄本、健康保険証、住民税の特別徴収などの提出で経営管理責任者が確実に常勤していること。
専任技術者も然りです。
現在の経営管理者や専任技術者が退職等の理由で代役を立てる場合は事前に新しい人を選任しなければなりません。もし新しい経営管理者や専任技術者が不在となった場合には、更新の際に要件不足で更新申請を受諾してもらえません。
4 社会保険に加入しているか
法人の場合、全ての従業員を社会保険(健康・労災・雇用・厚生年金)に加入させることが事業所としての義務です。
まとめ
建設業の許可申請には膨大な必要書類があり、各自治体によっても扱いが異なるので事前に必要な書類を確認するのが重要です。許可の持続要件を常にクリア済であることを証明するのが大事で、そのために建設業法だけではなく提出書類の法令や司法手続きを熟知することです。
変更届提出管理、様式改変が頻繁に行われる法令や運用などの最新情報を常に収集し、厳格に工程管理するということは日々の業務もある中非常に大変な作業だと思われます。まして行政側の都合もあって、進捗状況をやり取りしながら進めていくケースも考えられます。
とはいえ、絶対に失敗できない必要書類の作成や準備について行政書士に依頼すると安心です。もし対応に不明、不安な点があればぜひ一度「建設業専門 行政書士おさだ事務所」へご相談ください!
最後までご覧いただきありがとうございました。