建設業許可を受ける為に必要な資格要件は何があるかご存知でしょうか?
単に書類にサインして許可がもらえるような簡単なものだったらいいのですが、残念ながらそうはいきません。
許可申請する為には、いくつかの資格要件を満たした上で、国土交通省や都道府県知事に対して手続き申請する必要があります。
決して避けては通れないこの許可申請。覚えておくことで損はありませんね!
本記事ではそんな難しく感じる建設業許可に必要な資格要件についてまとめてみましたので是非最後まで御覧下さい。
難しく考えずにまずは一通り目を通してみて、全体を確認してみましょう!イメージを掴むことで、行動に移しやすくなりますよ。
建設業許可に必要な資格要件
まず建設業許可の取得に必要な資格要件は大きく6つあります!
必要な資格要件6つ
①専任技術者がいる
②経営業務の管理責任者がいる
③財務状況は健全である
④業務に対する誠実性
⑤欠格要件に非該当
⑥社会保険に加入
少し難しく感じるかもしれませんが、細かく区切って確認していくと理解がしやすいかもしれません。
そうなのですね!それでは1つ1つ解説よろしくお願いします!
①専任技術者がいる
建設を始めるにあたり専任の技術者を雇用していることが必要です。専任技術者は一定資格を有しているか実務経験が問われます。この資格に関しては、許可申請する工事業種によって異なりますので、別途確認が必要です。
一般建設業許可での専任技術者
ポイント
・高卒後5年以上、大卒後3年以上の実務経験がある
・専門学校卒業後3年以上の実務経験があり、専門士もしくは高度専門士である
・建設工事に関して10年以上の実務経験がある
・営業所専任技術者と認められる国家資格を持っている
・複数業種の実務経験と持っている
これらの条件をクリアしている専任技術者が営業所に1人以上は在籍している必要があります。
特定建設業許可での専任技術者
ポイント
・発注者からの請け負い工事が4,500万円以上で、建設工事設計や施工の指導監督経験が2年以上ある
・営業所専任技術者と認められる国家資格を持っている
・国土交通大臣が定める考査に合格している
・指定建設業7業種(土木工事業、建設工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)の特別認定講習を受け合格している
特定建設業許可の方が、一般建設業許可よりも条件が厳格となっております。
専任技術者に必要な資格は、許可申請する工事業種によって変わってきます。注意しましょう。
②経営業務の管理責任者がいる
法人・個人に関わらず、経営業務の責任者が必要です。この管理責任者に関しては大きく下記の2点を満たしている必要があります
常勤性
ポイント
・労働形態において常勤である必要がある
・他事業の役員や従業員と兼任することはできない
建設業務は他業務の経営と異なるため、必ず建設業界での経験者を最低1人必要としております。
一定年数以上の経営経験
ポイント
・申請している建設業に関しての5年以上の経営経験がある
もしこの経営業務の管理責任者が、専任技術者の資格要件もしくは実務経験を有している場合は、同一人物で両方の資格をクリアすることも可能です。
なるほど!個人事業主の場合ですと、代表者でありながら専任技術者というパターンも多そうですね!
③財務状況は健全である
建設を行うにあたり当然必要となってくる人員と建設機械。人件費や機械を購入する準備資金の有無が問われます。
一般建設業許可
ポイント
・自己資本が500万円以上
・500万円以上の資金が調達できる
・建設業許可を受けてから過去5年間の営業実績
一般建設業許可の場合ですと、これら3つのうちいずれかを満たす必要があります。
特定建設業許可
ポイント
・欠損額が資本金の20%未満である
・流動比率が75%以上である
・資本金が2,000万以上であり、自己資本金が4,000万以上を有している
特定建設業許可の場合ですと、これら3つの全てを満たす必要があります。
一般と特定と少し難しい部分ではありますが、よく確認する必要のある項目ですね。
④業務に対する誠実性
建設工事は長期間に渡ることが基本ですので、その中で動くお金や人員も多くなります。そのため他業種に比べて取引の信用性を担保する必要があり、請負契約に対して不正もしくは不誠実な行為をする事がないと示さねばなりません。
確認のポイントは様々ですが下記の様な場合は誠実性が無いと判断される可能性があります。
誠実性が無いと判断される場合
ポイント
・過去に建築士法・宅地建物取引業務などで不正を行ったことにより免許の取り消し処分を受けている
・過去の不正による免許取り消し処分日から5年経過していない
・契約の締結や履行の際に詐欺もしくは脅迫、横領などの法律に反する行為がある
・暴力団の構成員である
・経営する会社や事業の実質経営権が暴力団等の反社会的な勢力により支配されている
契約の履行と言われることもあります。社会的に問題が無いかを確認する項目になります。
そんなところまで確認があるのですね。日々の業務からしっかり正しい心構えでいることが大事です!
⑤欠格要件に非該当
欠格要件に該当する場合は建設業許可が取得できません。また許可取得後でも該当する事が発覚した場合でも、許可の取り消し処分になりますので注意が必要です。
下記の様な場合は、欠格要件に該当すると判断されるかもしれませんので確認してみてください。
④の業務に対する誠実性とも重なる部分もありますが、建設業は長期かつ大きな金額が動くため確認は念入りに行われております。
欠格要因に該当するケース
ポイント
・許可申請書に偽りの記載がある場合や重要事項の記載が漏れている場合
・破産手続きを行い、まだ復権していない者である場合
・心身の故障により建設業を適正に営むことができないと、国土交通省令において判断される者の場合
・禁錮以上の実刑を受けその後5年以上経過していない者の場合
・暴力団員である。もしくは暴力団員でなくなった日から5年を経過していない場合
こちらも誠実性に似ていますが破産していたり、過去に許可が取り消されていないかなどもう少し詳細な部分が確認されます。
⑥社会保険に加入
こちらの資格要件は2020年秋に新たに設定された内容ですので、過去に自ら取得されていたという方も注意が必要です。
現状どの社会保険に加入しているのか、未加入の場合はどの社会保険に加入する義務があるのかなど指導が入る可能性があります。
ポイント
・法人の場合は健康保険、厚生年金、雇用保険の3つに加入の義務が発生する
・個人事業主の場合は従業員を雇っていない場合に限り、国民健康保険と国民年金に加入していれば問題ない
2020年の10月の法改正によって新設された資格になります。従業員を守るという意味でもしっかりと加入しておきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
資格要件は6つだけとは言っても、中々個人で判断することが難しい内容もあるというのが正直な所だと思います。
本記事の内容を見て分からない部分や疑問点がございましたら、お気軽に当社へお問い合わせ下さい。
建設業に特化した行政書士が在籍しており、東京都において29年の実績を持つ弊社が迅速に対応させていただきます。
ありがとうございました。