この記事では、国や地方公共団体等が発注する公共工事を直接請け負いたい企業様に必須の「経営事項審査」について、簡単に解説していきます。
「そもそも公共工事を請け負う会社ってどんな会社なんだろう?」「選ばれた一部の企業しか請け負うことができないイメージだけど、実際はどうなんだろう?」
まずやるべきことは経営事項審査です。経営事項審査を取得しなければ競争入札に参加できないため、請け負える可能性は0です。
この記事を読めば、公共工事を請け負う可能性が広がります。
それでは「経営事項審査」とは何なのか?解説していきます。
経営事項審査とは?簡単に解説
「経営事項審査」とは、各企業を決められた事項で評価し数値化したものです。
公共工事を直接請け負う際に必ず必要なもので、建設業法_第二十七の二十三によって決められています。
公共工事を請け負う企業はどういった基準で選ばれているんだろう?
疑問に思ったことはありませんか?
実は、競争入札になる前に全企業がこの「経営事項審査」を取得しています。
経営事項審査の項目
では、「経営事項審査」の中身を見ていきましょう。
大きく分けて対象企業の
- 「経営規模」
- 「技術的能力」
- 「経営状況」
- 「社会性」
があります。
これだけを聞いても抽象的すぎてよくわからないと思います。
どうすれば高い評価点が得られるのか?さらに具体的に説明します。
総合評定値
総合評定値=(経営規模×40%)+(技術力×25%)+(経営状況×20%)+(社会性×15%)
※上限 2,143 下限 -18 小数点以下四捨五入
つまり、経営規模のウエイトが40%もあり大きく影響するので経営規模を大きくすれば総合評定値は高くなります。大企業ほど高得点であり、零細企業ほど低い点数になりがちです。
また、最近流行っているSDGsは「社会性」の得点UPを狙ったものと言えます。
SDGsとは
Sustainable Development Goals を略したもの。日本語では「持続可能な開発目標」と訳す。国際社会共通の目標であり、「誰一人残さない」多様性と包摂性のある社会の実現を目指す。
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申請の流れと費用
次に、「経営事項審査」の申請と費用について解説します。
申請の流れ
経営事項審査の申請先は2種類あります。知事許可は都道府県の申請窓口、大臣許可は国土交通省の各地方整備局になります。
~経営状況分析の取得~
- 経営状況分析の申請後、結果通知書を受け取る
~経営規模等評価および総合評定値の取得~
- 経営規模等評価の申請および総合評定値の請求
- 経営規模等評価通知書および総合評定値通知書を受け取る
有効期間は審査基準日から起算して1年7ヵ月までです。有効期間を過ぎると、公共工事を請け負えなくなりますのでご注意下さい。
申請費用
~経営状況分析申請~
各分析機関によって費用が違うため、申請先の登録機関に直接確認して下さい。
~経営規模等評価申請~
かかる費用は8,100円に審査対象建設業(審査を受けようとする業種)1種類ごとに2,300円を上乗せした金額。
例えば、審査対象が1業種なら10,400円、3業種であれば15,000円になります。
~総合評定値の請求~
かかる費用は400円に審査対象建設業(審査を受けようとする業種)1種類ごとに200円を上乗せした金額。
例えば、審査対象が1業種なら600円、3業種であれば1,000円になります。
経営事項審査を受けるメリット
経営事項審査の取得メリットは直接公共工事を請け負えること以外にもあります。建設業者として客観的な点数で評価され公表されるため、取引先から信用を得やすくなります。元請からの受注を増やしたい建設業者にとって、経営事項審査は魅力的な制度といえるでしょう。取得するための費用もそんなに高額なものではないためメリットのほうが大きいと言えます。
まとめ
今回は経営事項審査について簡単に解説しました。
要点はこちらです。
- 公共工事を請け負うためには「経営事項審査」の取得が必要
- 審査の評価には4つの項目「経営規模」「技術的能力」「経営状況」「社会性」が影響する
- 得点のウエイトが一番大きいのは「経営規模」であり、大企業ほど有利
- 申請費用を支払い、経営状況分析の申請と経営規模等評価および総合評定値の取得
- 有効期間は審査基準日から起算して1年7ヵ月まで
公共工事を直接請け負うにあたって必要なことがお分かりいただけましたか?
会社の事業拡大に向けて本記事が企業様の一助になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。