建設業許可の取得を検討中の人必見!建設業許可証の看板はご存じでしょうか?取得前は要件の確認や書類の準備に追われて見落としがちになってしまうかもしれません。
看板設置について知らなかったという人は「看板って絶対必要なの?」「どんなことを掲示すればいいかわからない」といったように困惑してしまいますよね。
この記事では建設業許可証の看板がどのような物か、なぜ必要なのかについて解説しています。許可取得後に看板の設置で慌てることのないようにぜひ最後までご覧ください。
建設業許可証の看板とは
建設業許可証の看板とは、主に第三者に対して「許可を取得している」ことを伝える目的があり、許可がある場合は公衆から見える位置に看板を置く実質的な義務があります。
建設工事は常に危険が伴うため「この工事は国から認められた建設業者が行っている」とアピールしつつ、工事現場の近隣住民が不安を感じないよう配慮する必要があるからです。
この建設業許可証の看板は、よく「建設業許可票」と呼ばれています。
許可がある場合は看板を置かなくてはなりませんが、逆に許可がない建設業者は看板を置く必要はありません。
ではどういった場合に建設業許可が必要になるのか確認してみましょう。
建設業許可が必要な工事
基本的に「軽微な建設工事」よりも規模や金額が大きい工事を請け負う場合、許可が必要になります。軽微な建設工事とは以下のような工事のことです。
ポイント
- 請負金額が1,500万円未満の建築一式工事
- 延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
- 請負金額が500万円未満の建築工事
金額の大きな工事を請けて事業拡大をしたい場合などは、許可の取得は必須になるでしょう。
許可がなくても請けられる工事に関しては、こちらの記事でより詳しく解説しておりますのであわせてご覧ください。
東京都で建設業許可を取得するなら
許可を取得するなら、まず次の6つの要件を満たす必要があります。
許可要件
- 経営管理責任者
- 専任技術者
- 誠実性
- 欠格要件
- 財産要件
- 社会保険の加入
この要件を満たしていれば、許可を申請できます。しかし、申請にあたって必要書類の準備など大変な手間がかかってしまうため事業が忙しい場合など、申請者本人がすべてを手配するのは難しいでしょう。
特に東京都の建設業許可は取得が困難とされており、時間を割いて準備した労力が無駄になってしまうリスクもあります。
おさだ事務所では、東京都の許可取得に特化しており、より確実に、よりスムーズに許可取得につなげることができます。万が一取得に至らなかった際は返金制度もあるため、建設業許可に関してお悩みの方は取得の可能性を上げるためにもぜひ一度ご相談ください。
少しでも「難しいな」と感じたら、お気軽にご相談ください!
看板設置の際のルール
看板を置く際には「設置場所」「記載事項」「サイズ」に明確なルールが定められております。これらの基準を満たさないと建設業法違反となってしまう可能性があるので注意を払わなければなりません。
材質は特に決まりはありませんが、一般的には金属素材で作られることが多く、一度作ってしまえば更新などで許可番号が変わるまでは継続して使用できるので、丈夫な素材で作ることをおすすめします。
それでは設置場所、記載事項、サイズに関して具体的にどのような基準があるのか、それぞれチェックしていきましょう。
わかりやすく1つずつ解説していきます。
設置場所
建設業許可がある場合、次の二か所にそれぞれ看板を置かなくてはなりません。
- 許可を取得した店舗(本店、支店、営業所)
- 工事を請けている場合はその工事現場
どちらも公衆から見やすい場所に置くように定められています。とてもざっくりとした規定ですが、あくまでも第三者が内容を確認できる位置に置く必要があるので、職員のみが出入りできるようなスペースは避け、なるべく入り口などの目立つ位置に置くのが望ましいでしょう。
ポイント
店舗と工事現場では、看板の記載事項やサイズが異なるため注意が必要です。
記載事項
看板の記載事項は店舗用と工事現場用でそれぞれ以下のようになっております。
店舗用
- 一般建設業か、特定建設業かについて
- 許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
- 商号または名称
- 代表者氏名
記載事項2の許可番号に関しては、5年ごとの更新で変更されます。そのため前述したように、基本的には記載事項が変更されるまでは継続して同じ看板を使用することが可能です。
工事現場用
- 一般建設業か、特定建設業かについて
- 許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
- 商号または名称
- 代表者氏名
- 主任技術者または監理技術者の氏名
店舗用の看板の記載事項に加えて記載事項5の「主任技術者または監理技術者の氏名」が追加されています。
サイズ
サイズに関しても記載事項と同様に、店舗用と工事現場用で違いがあります。
大きすぎても問題になるわけではないので、とにかく基準を下回らないようにしましょう。
店舗用 | 縦35㎝以上 横40㎝以上 |
工事現場用 | 縦25㎝以上 横35㎝以上 |
このように看板の仕様にはルールがあり、店舗用と工事現場用でもそれぞれ細かい違いがあるため、必ず正しい仕様を事前に確認しておきましょう。
法改正に伴う設置義務の緩和
2020年10月に建設業法が改正されたことで、工事現場における許可証の看板設置に関する義務が緩和されました。
改正前は、元請業者とすべての下請業者に看板の設置が義務でしたが、改正後は元請業者のみに看板の設置義務があり、下請業者は看板を置く必要がなくなります。また元請業者は、下請に入っている会社を確認できる施工体系図に関して従来通りの表示義務があります。
この緩和によって下請業者として工事に参加する場合は、看板の設置義務がなくなり負担が減ったといえるでしょう。
ペナルティについて
法改正に伴い看板の設置義務は緩和されましたが、それでも建設業許可がある場合は店舗に、元請として工事を請ける場合は工事現場にそれぞれ看板が必要となることは変わりません。
看板を置かない場合、または看板が規定の仕様通りではない場合は、建設業法違反となってしまい過料10万円以下のペナルティを受けてしまう可能性があります。そのため必ず店舗と工事現場それぞれ適切な場所に、規定通りの看板が置かれているかを確認することが大切です。
「許可を取得したのに罰則を受けてしまう」といった事態に気をつけましょう。
注意点
許可を有している場合は看板の設置が必要となりますが、許可がない事業者が看板を置く際は気を付けなければならないポイントがあります。
看板を置く際に、許可がないのに許可を有していると勘違いされてしまう可能性のある内容のものは建設業法で禁じられており、だれが見ても勘違いすることがないものでないといけません。
(表示の制限)
第四十条の二 建設業を営む者は、当該建設業について、第三条第一項の許可を受けていないのに、その許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならない。
引用元:e-GOV法令検索|建設業法
許可取得前の事業者の方は看板設置の際に勘違いされるような内容ではないか注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
建設業許可証の看板について解説しました。今回の要点を以下のようにまとめてみました。
ポイント
- 看板は第三者に許可を有していることを伝えるためのもので、実質的に設置の義務がある
- 看板には設置場所、記載事項、サイズに明確に規定があり、店舗用と工事現場用で細かい仕様が異なる
- 法改正に伴い看板の設置義務が一部緩和されたが、原則として看板を設置しないと建設業法に違反してしまうため注意が必要
このように許可証の看板設置は、許可の取得にあたって必要になるものなので、準備段階で見落とし許可取得後に困ることのないように事前に確認しておきましょう。
この記事を通して、建設業許可取得を検討中の事業者様のお役に立てると幸いです。