営業許可

建設業許可は電気通信工事でも必要?取得のメリットや要件・取得方法を解説

皆さんは「建設業許可」というものをご存じですか?

建設業を営む際に原則として求められる建設業許可ですが、それは「電気通信工事業」も同様です。

ところが「建設業許可の要件ってなに?」「そもそもメリットは?」といった疑問をかかえている方も多いようです。

小佐田

法律が絡んできてわかりづらい・・・

と相談されることも多いです!

この記事では建設業許可がどういったものか、また許可の要件など取得に必要な知識についてわかりやすく解説していきます。

この記事を読んでいただき、許可取得のお役に立てれば幸いです。

建設業許可は電気通信工事でも必要?

軽微な建設工事以上の工事を請け負いたい場合、建設業許可の取得は必要です。

また、「これから事業を拡大していきたい」「公共工事も受注したい」と考えるならば、やはり許可の取得は避けて通れません。

(建設業の許可)

第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。

e-Gov法令検索|建設業法第三条
小佐田

『軽微な建設工事』については後述します。

とはいえ、簡単に取得できるものではないのも事実です。

許可を必要としない範囲内で工事を請け負い、建設業を営んでいくという選択肢もあるでしょう。しかし、許可を取ることで得られるメリットもあります。次の項目では、そのメリットについてお伝えしていきます。

電気通信工事業において建設業許可を取るメリット

許可を取ると高額な工事を請けられるだけでなく事業所の信用度が上がったり、公共工事を請けることができるようになります。情報化が進む現代社会ではインターネットなどをはじめとした電気通信設備の需要が高まっているため、電気通信の分野はとても将来性のある分野です。

今後さらに期待が高まっていくこの分野で事業拡大を目指すなら建設業許可の取得は必須になるといえるでしょう。

電気通信工事業の工事内容と許可の要件

「電気工事」と「電気通信工事」は名前が似ているため混同されがちですが、その間には明確な違いがあります。

電気工事照明器具の設置や配線の入れ替えなどを含めた電気設備を設置する工事が電気工事に該当します。
電気通信工事電話やインターネットなどの情報通信設備とその設備の設置に伴う電気工事を含めて電気通信工事と呼びます。
ただし、電気通信施設の機能性及び耐久性の確保を図るための点検や整備及び修理のような業務は、電気通信工事に該当しません。

この記事では2つめの「電気通信工事」の要件をお伝えします。

▼「電気工事」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

電気通信工事業における建設業許可の要件

電気通信工事業において、建設業許可を取得する際に求められる要件は主に次の6つとなります。

6つの要件

  • 経営業務の管理責任者
  • 誠実性
  • 欠格要件
  • 専任技術者
  • 財産要件
  • 社会保険の加入

許可を取得するにはこれら6つの要件を全て満たしている必要があるので、それぞれ個別に説明していきます。

葛西

2020年以降、新しく要件に加えられたものもあるので要チェックです!

経営業務の管理責任者

この項目では建設業において経営業務の管理能力について次のいずれかの基準を満たしていることを求められます。

  • 経営業務の管理責任者としての経験5年以上
  • 経営業務の管理責任者に準ずる地位としての経営業務を管理した経験が5年以上
  • 経営業務の管理責任者に準ずる地位として経営業務の管理を補助してきた経験が6年以上

誠実性

請負契約において不正行為や不誠実な行為をしないことを求められます。

過去5年以内に建築士法・宅地建物取引業法等で不正行為や不誠実な行為を行ったことで免許取消処分を受けている場合などには認められません。

欠格要件

次の全てに該当しないことを求められます。

  1. 罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
  2. 登録を受けようとする試験と同じ種目の試験について、過去2年以内に建設業法施工規則第7条の15の規定により国土交通大臣により登録の取り消しを受けた者
  3. 法人で、登録技術試験事務を行う役員のうちに上記1、2に該当する者があるもの

専任技術者

専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可によって変わります。

特定建設業許可とは元請工事に関して、下請に出す工事の総額が3000万円以上(建築一式工事は4500万円以上)となる際に必要になる許可のことです。

一般建設業許可

許可申請者のうちに次のいずれかに該当する人がいる必要があります。

  • 技術士法「技術士試験」電気電子・総合技術監理(電気電子)、電気通信主任技術者(資格取得後5年の実務経験が必要)のうちのいずれかの資格を持つ者
  • 大学または高等専門学校にて電気通信工学、電気工学に関する学科を卒業後、3年以上の実務経験があること
  • 高校または中学校にて電気通信工学、電気工学に関する学科を卒業後、5年以上の実務経験があること
  • 10年以上の実務経験があること

特定建設業許可

許可申請者のうちに次のいずれかに該当する人がいる必要があります。

  • 技術士法「技術士試験」電気電子・総合技術監理(電気電子)の資格を持つ者
  • 電気通信主任技術者(資格取得後5年の実務経験が必要)を持ち2年以上の指導監督的実務経験がある者
  • 大学または高等専門学校にて電気通信工学、電気工学に関する学科を卒業後、3年以上の実務経験と2年以上の指導監督的実務経験があること
  • 高校または中学校にて電気通信工学、電気工学に関する学科を卒業後、5年以上の実務経験と2年以上の指導監督的実務経験があること
  • 10年以上の実務経験と2年以上の指導監督的実務経験があること

財産要件

財産要件においても専任技術者と同様に一般建設業許可と特定建設業許可によって違いがあります。

一般建設業許可

次のうちどちらかに該当する必要があります。

  • 直前の決算において自己資本の額が500万円以上であること
  • 500万円以上の預金残高があること

特定建設業許可

次のうち全てに該当する必要があります。

  • 欠損の額が資本金の20%未満であること
  • 流動比率が70%以上であること
  • 資本金の額が2000万円以上であること
  • 自己資本の額が4000万円以上であること

社会保険の加入

社会保険の加入は2020年10月から新設された要件になります。

法人と個人事業主によってポイントが変わってきますので注意が必要です。

法人「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」の3つすべてに加入する義務が生じます。
個人事業主従業員を雇っていない場合、「国民健康保険」と「国民年金」に加入している必要があります。

電気通信工事の内容は主に4種類

電気通信工事は大きく分けて「電気通信設備」「放送機械設備」「無線電気通信設備」「有線電気通信設備」を設置する4種類の工事に分類されます。

具体的には次のような工事が電気通信工事に該当します。

  • 電気通信線路設備工事
  • 電気通信機械設置工事
  • 放送機械設置工事
  • 空中線設備工事
  • データ通信設備工事
  • 情報制御設備工事
  • TV電波障害防除設備工事

建設業許可を取るためにやるべきこと

東京都で建設業許可を取ろうとする場合申し込み方法は主に2通りあります。都庁の窓口での申し込みと郵送での申し込みです。

必要書類については各種証明書類などを含め30種類以上の書類を東京都庁の整備局建設業科へ提出する必要があるため大変な手間がかかってしまいます。事業者本人で申し込みすることも可能ですが大きな手間と労力がかかってしまうため行政書士に申し込みの代行を依頼する人も多いようです。

許可の申し込み方法や必要書類についてはこちらの記事でより詳しく解説していますので是非あわせてご覧ください

東京都で建設業許可の取得を検討するなら

電気通信工事業はまだまだ伸びていく分野です。事業拡大や企業体質改善にもつながるため建設業許可の取得をお勧めします。しかし、取得には申し込みや書類の準備などが必要になり貴重な時間や手間を惜しむ事業者様にとっては大きな負担になるでしょう。

弊社、おさだ事務所では取得が困難な東京都の建設業許可に特化しており専門の行政書士も常駐しております。

許可を取得できなかった場合は全額返金保証もございます。早さと確実性をお求めの方はぜひ一度ご相談ください!

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建設業許可がなくても請けられる工事

許可がなくても請けられる工事についてご紹介します。

どんな工事が例外的に許可がなくても工事を請けられるのかというと、主に例外にあたるのが「軽微な建設工事」「付帯工事」のいずれかに該当する場合です。

「軽微な建設工事」とは

軽微な建設工事については建設業法施行令一条の二にて定義されており、以下のようなものが軽微な建設工事に該当します。

建築一式工事

建築一式工事の場合は請負金額が1500万円未満または延べ面積が150㎡未満の木造住宅を建設する工事である場合は軽微な建設工事に該当します。
建築一式工事以外の建設工事 工事一軒の請負金額が500万円未満の工事である場合、軽微な建設工事に該当します。

「付帯工事」とは

付帯工事とは読んで字のごとく主となる工事に付帯して行う工事のことです。

例えば住宅などを建築する際などに必ず発生する電気や水道、ガスなどの工事も「付帯工事」に該当します。1つの工事の中に複数の工事が含まれていてメインの工事にその他の工事がくっついている形の場合、その他の工事はメインに付帯する工事といえるでしょう。

ただし付帯工事の場合、その工事単体で請け負うことはできません。

単体で請ける場合は、専門工事として扱われるため注意が必要になります。このように軽微な建設工事または付帯工事に該当する小規模工事の場合は許可を必要としないケースもあります。

許可を必要としない工事についてはこちらの記事で分かりやすく解説していますので是非参考にしてみてください。

まとめ

電気通信工事業における建設業許可について解説いたしました。

許可がなくても請けられる工事があることはご理解いただけたと思います。しかし、需要が高まっていくことが予想される電気通信工事業において事業拡大を視野に入れて事業をするのであれば許可は必須になるでしょう。皆様の事業繁栄のためにも早い段階での建設業許可の取得をお勧めいたします。

「許可を取りたいけど忙しい」「事業に集中したい」などお悩みの場合は申請代行サービスのご利用もぜひご検討ください。

スムーズに建設業許可が取得できるよう全力でサポートいたします!

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