営業許可

【許可更新】経営業務の管理責任者が不在だと許可剝奪?更新要件と共に解説

建設業法の第3条では、建設業を営む方は建設業許可を取得することが義務づけられています。

建設業許可の取得条件の1つに「建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する人材が1名以上いる」という条件が制定されています。

経営業務の管理責任者が定年退職などで不在になる場合は、どうなりますか?

清水
小佐田

その場合、早急に新たな経営業務の管理責任者を見つける必要があります。

ということで、今回は「経営業務の管理責任者不在となった場合」について解説します。

経営業務の管理責任者が不在だとどうなるのか

結論からお伝えすると、経営業務の管理責任者が不在の状態が続くと建設業許可が取り消されてしまいます

小佐田

経営業務の管理責任者が不在のまま営業を継続すると、建設業法違反と見なされて、処罰の対象となるので注意しましょう!

経営業務の管理責任者が不在となった場合の対応【2つ】

経営業務の管理責任者がいなくなってしまったらどのような手続きをしなければならないんですか?

清水
小佐田

経営業務の管理責任者がいなくなってしまった場合は、「変更届」もしくは「廃業届」を許可行政庁に提出する必要があります。

変更届

経営業務の管理責任者が退任または交代した場合は、変更届の提出が必要です。

小佐田

変更届は、経営業務の管理責任者が退任もしくは交代してから2週間以内に提出しましょう。

廃業届

経営業務の管理責任者の後任者が見つからないなど建設業許可要件を満たせなくなった場合は、廃業届の提出が必要です。

小佐田

廃業届は、経営業務の管理責任者が不在となった日から30日以内に提出しましょう。

▼こちらの記事では、契約の種類と建設業許可の関係について解説しています。廃業届を提出しても受注できる工事についても記載されているので、気になる方は参考にしてみてください。

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建設業許可の更新要件【4つ】

建設業許可の有効期限は5年間とされています。

そのため、建設業許可を新規取得した日または前回の更新日から5年以内に更新手続きをしなければなりません。

小佐田

一般的に建設業許可の更新申請期間は、期限日の3ヶ月前から30日の間とされています。

ですので、期限ギリギリに申請しようとすると建設業許可が失効してしまう可能性もあるので注意してくださいね!

そうなんですね!?

ちなみに、経営業務の管理責任者以外で更新に必要な要件ってあるんですか?

清水
小佐田

建設業許可の更新要件は、経営業務の管理責任者以外に4つあります。

建設業許可の更新要件は、下記の4つです。

建設業許可の更新要件

  1. 過去5年分の決算変更届を提出している
  2. 指定された重要事項の変更届を提出している
  3. 専任技術者が1名以上在籍している
  4. 社会保険に加入している

過去5年分の決算変更届を提出している

決算変更届とは

1年間に行った工事の内容や決算の内訳を現した書類

建設業者は、年1回決算変更届を提出する必要があります。

この決算変更届を提出していないと、更新申請ができません

指定された重要事項の変更届を提出している

経営業務の管理責任者だけでなく、下記の重要事項が変更された場合も変更届が必要です。

重要事項の例

  1. 商号
  2. 営業所情報
  3. 資本金の金額
  4. 役員情報
  5. 支配人情報

専任技術者が1名以上在籍している

建設業を営むためには、建設工事に関する専門的知識を持つ専任技術者が1名以上必要です。

経営業務の管理責任者と同じように、専任技術者が変わる際には変更届を提出しましょう。

社会保険に加入している

社会保険とは

社会生活の中で起こりうるリスクに備えるための公的な強制保険制度

社会保険は、企業と従業員それぞれが加入している保険制度です。

建設業許可を更新するためには、社会保険に加入する必要があります。

▼おさだ総合事務所は、2020年時点で5,627件ある東京都申請実績をもとにお客様をサポートさせていただいております。建設業許可が下りなかった場合は、費用を全額お返ししておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

離職率を下げるための対策

近年は転職する人も増えてきていますし、経営業務の管理責任者もいつ不在になるかわかりませんよね。

清水
小佐田

そうですね。

経営業務の管理責任者を含めた人員不足を未然に防ぐには、事前に離職率を下げる取り組みをしなければなりません。

日本建設業連合会によると、建設業の就業者数は年々減少しているため、離職者を減らすことは業界全体の課題となっています。

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引用:建設業デジタルハンドブック(日本建設業連合会)|建設労働

離職率を下げるためには、下記のような対策をとる必要があります。

離職率を下げるための対策

  1. 評価制度を改善する
  2. 労働環境を改善する
  3. 従業員同士のコミュニケーションの活性化
小佐田

業績だけでなく社内の雰囲気を定期的に見つめなおすことで、企業全体の成長にも繋がります

まとめ

今回は「経営業務の管理責任者が不在となった場合」について解説しました。

  1. 経営業務の管理責任者が不在の状態が続くと建設業許可が取り消される
  2. 経営業務の管理責任者がいなくなってしまった場合は、「変更届」もしくは「廃業届」を許可行政庁に提出しなければならない
  3. 建設業許可を更新するためには、4つの要件を満たさなければならない
  4. 建設業の就業者数は年々減少している

建設業を営む上で経営業務の管理責任者の不在などのアクシデントに見舞われますが、事前にリスクヘッジをしながら落ち着いて対応しましょう。

ご愛読いただきありがとうございました。

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