「建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録に簡略型と詳細型のどっちで登録すればいいのかわからない!」
CCUSに登録する目的によって、どちらがよいのかが変わってきます。きちんと何のために申請を行うか確認しましょう。
「登録料の安い簡略型で申請した方が得だよね」
いいえ!逆に簡略型で申請して、事業者として不利になってしまう可能性があるため、注意が必要です!!
この記事では、CCUSの技能者登録に簡略型と詳細型のどちらで登録すべきかお悩みの方に、それぞれの良い点、悪い点について詳しくご説明します。どうすればいいか分からずにお困りの方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
※ 手数料・システム情報は記事作成時のものです
CCUSの技能者登録には詳細型で行うべきです!
結論から言うと、技能者登録する場合には、詳細型での申請をおすすめします。簡易型登録は登録料金が安いですが、保有資格情報の登録ができません。そのため、技能者のレベル判定を申請するには詳細型登録が必要になります。結果として経営事項審査での評価点にも影響します。技能者にとっては自分のキャリアを「見える化」して、これから処遇をよくしていくためには詳細型がよいと言えるでしょう。また、事業者にとっても経営事項審査での評価点加点が見込めるため、詳細型登録が望ましいと言えるでしょう。
もしこの記事をご覧になっているあなたが、事業者の担当者の方であれば、知らないままだと失敗してしまう可能性があります。絶対に読み飛ばさないようにしてくださいね!
CCUSの基本
CCUSとは何か?
建設業の現場で働く技能者の経験や職歴、社会保険の加入状況などの情報が蓄積されたシステムです。このシステムを活用することで、建設業業過全体で個々の技能者が、それぞれの状況に応じた適切な処遇を受けられるようになることが期待されています。現在、国土交通省が推進しており、2019年4月から本格的に運用開始されています。
技能者登録とは?
CCUSの利用者としては、「事業者登録」、「技能者登録」の2種類があります。事業者は工事を行う元請け業者が現場の情報を登録します。各現場で工事を担う技能者が登録を行うのは「技能者」情報です。
技能者登録の情報内容
登録を行う情報としては、本人の情報、所属事業者の情報、社会保険についての各種情報、保有資格・スキル情報が挙げられます。
技能者登録でICカードが交付される
技能者登録した個人にはICカードが交付され、これを現場に設置されているカードリーダーに読み込ませることで、就業履歴情報をシステムに蓄積できます。
また、CCUSへの情報登録や事業者としての対応内容が、経営事項審査にどのように影響するかはこちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
簡略型登録と詳細型登録はどう違うのか?
登録方法によって何が違うのか?
CCUSには、簡略型登録と詳細型登録の2つの登録方法があります。では2つの違いを表にして見てみましょう。
登録方法 | 登録できる情報 | 登録料金 |
簡略型登録 | 本人情報 所属事業者情報 社会保険各種情報(労災保険特別加入情報は含まない) | 2,500円 |
詳細型登録 | 本人情報 所属事業者情報 社会保険各種情報 保有資格情報 | 4,900円 |
簡略型登録の良い点・悪い点
保有資格情報の登録がない分、登録する情報が、詳細型に比べて少なくなっています。当然ですが、事前に準備が必要な書類が少なくてすみますね。また、その分登録料金が詳細型に比べて安くなっています。
一方で、能力評価制度の適用を受けられないため、どんなスキルや経験を持っている技術者の方でも評価を受けることができません。
現場に入るために技能者登録が求められているという必要に迫られている場合には簡易型での登録でもよいかもしれません。
詳細型登録の良い点・悪い点
保有資格情報を含めたすべての情報が登録できます。逆に言うと、必要な提出書類もその分多くなります。また、登録料金も簡略型に比べて割高になってしまいます。
また、保有している資格やスキルの情報を登録できるため、能力評価について申請を行うことができます。これによって技能者自身の技術力を客観的に証明できます。
能力評価制度について
詳細型登録では技能者の技術力について申請が行える制度があります。これはレベル判定とも言われています。CCUSでは、技能者のスキルと経験について以下の4段階の評価を行っています。
①初級技能者
②中堅技術者
③職長レベル
④高度マネジメントレベル
このレベルに応じて適正な処遇を実現することが期待されており、実際に手当支給の根拠として反映されている元請け事業者も増えてきています。そのため技能者自身の技術力を「見える化」して客観的な評価してもらえることになります。何より技能者自身の技術力を提示することで事業者へのアピールにもつながります。
また、経営事項審査を受ける事業者にとっては、レベル③とレベル④と判定された技能者がいる場合、評点が加点されます。そのため建設業事業者にとっては、いかに認定された技能者を雇い入れ、現場に配置するかが重要になります。そのため、在籍している技能者にはレベル判定を受けてもらう必要があります。特に自身で申請手続きを行う必要があるため、在籍する技能者のレベルを把握・管理しておくことが重要です。
また、2024年3月以降はCCUSに蓄積された就業日数などの情報をもとに審査されるようになるため、なるべく早く対応をしておくことをおすすめします。これまでは暫定措置によって、認定に必要な経験年数は資格取得日などから算出されることになっていました。
まとめ
技能者登録する場合、レベル判定まで行わないとCCUSのメリットを最大限に受けることができないと言えるでしょう。
単純に登録料が安いからという理由だけで簡易型登録のままにしておくと、失敗してしまう場合もあります。ですが、一度、簡易型登録をした場合でも、追加分の登録料を支払って詳細型へ移行することは可能です。技能者の今後のレベルアップや、事業者自身の経営事項審査の評価点アップを目指す場合には、必ず詳細型登録を行うように気をつけてください。
もしお悩みのことがあれば、「おさだ事務所」までぜひご相談ください。