経営事項審査が終わって書面が返ってきた時、しっかり読まないのは実はとてももったいない事なんです。この記事を読んでくださっているあなたも、もしかしたらなんとなく総合評定値(P点)の結果だけをみて放置していたりしませんか?
確かに経審の用紙は細かな数字が多く、結果だけわかればいいかもしれません。しかし、P点以外のX~Wの点数を見直すことで結果的にP点の向上につながったり、今後の会社運営を決定する材料のひとつです。
改善できるところを見逃して損をしないように、今回は経営事項審査の見方をお伝えしたいと思います。
点数の構成は非常に複雑になっているので、わかりにくいという方は多くおられます。
今回はそんな経営事項審査の見方をご案内いたします。ぜひ、最後までご一読ください。
経営事項審査(経審)の見方について
まず、よく耳にするP点という数字は『総合評価値』のことです。この数字で評価がきまり、どの建築業者様も気になさっている数字です。何を見て決定しているのかと申し上げると、以下の図をご確認ください。
ここで注目したいのが、X1~Wの数字です。冒頭でも申し上げましたが、ここの点数を見つめ直す=自身の会社がどの部分に弱いのか判断する材料となり、そこを強化すればP点を上げていくことにつながります。
P点について詳しく詳細をしりたい
こちらの建設業経営情報分析センターで詳しく説明されておりますので、参考にしてみてください
自社の評価を上げるためのヒントを見逃しているのは非常にもったいないので必ずチェックしましょう。
P点の違い
P点の総合評定値を確認した時に、7つ数字が書いてあるのを不思議に思ったことはありませんか?これはなぜかと申し上げると、経審は建設業許可業種ごとに受けることができるため、P点も業種ごとに点数が付与されるのです。
X1~Wまでの5項目のうち、X2・Y・Wは業種に関係なく会社全体の評価項目です。残りのX1・Zの2項目は業種ごとに評価が異なりますので、加点がばらけます。つまり、X2・Y・Wの基礎があり、その上に業種ごとのX1・Zを加点していくイメージです。
これにより、会社全体の評価を見つめ直したり、業種ごとの弱点を補ったりと、対策を立てやすくなり、点数アップにつながる大きなヒントです。
完成工事高を見つめ直してみよう
完成工事高が多ければ点数が高くなりますが、そのためには点数のばらつきをなくす必要があります。例として、激変緩和措置という言葉をごぞんじでしょうか?工事高は2年平均または3年平均のどちらかを採用しなくてはなりません。
そこで、数字が良い方を出せば良いのです。
決算の工事高がそれぞれ「直前5,000万円」「前期2,000万円」「前々期3,000万円」だったとした場合……
- 2年平均 (5,000+2,000)÷2=3,500
- 3年平均 (5,000+2,000+3,000)÷3=3,333
こうしてみると2年平均のほうが数字が良いので、そちらを採用しましょう。
そのまま採用できない場合もある
さっそく数字の良い方を採用しよう!とここまでの話をきいて思われるかもしれませんが、注意点があります。それは複数の業種の経審を受けている場合、すべての業種に対して一括で反映されてしまうことです。
これにより、他の数値の高さがバラバラだと、どの業種を主に考えて採用するべきなのか迷うはずです。こうなってくると「それぞれ何点になるのか計算する」「最低限キープするべき業種がなんなのか格付け点数を見て判断する」「主観点を加え、どれくらい余裕があるか計算する」といった方法が必要になってきます。
複雑な計算が必要になりますので、よくわからない、どうしたらいいか迷ってしまった……という場合はぜひ、専門家にもご相談ください。
おさだ事務所は東京都に特化しており、建設業許可申請がとにかく早く、最短一日で申請。さらに許可がおりなければ全額返金。建設業に特化した社労士事務所です。
これだけの大きなヒントが隠されている書類を見逃すのは、非常にもったいないです。
簡単にご案内しましたが、点数の計算は複雑です。相談先があると便利ですね。
経営事項審査の公表
ごぞんじの方もおられると思いますが、経審の結果は公表されています。建設業情報管理センターが国土交通省または都道府県からの委託を受け、競争参加者選定、公平さの確保、企業情報の開示および相互監視による虚偽申請の抑止といった趣旨に基づいて行われています。
このサービスで検索対象となるのは
- 有効期限内(審査基準日から1年7カ月)
- 有効期限内に二回受審している場合は直近のもの
- 行政府による最終審査のため、一定期間(1カ月)を超過したもの
以上が検索対象です。
ご自身の会社がきちんと公表されているか確認するのも大切ですね。
最後に、ここまでの内容をまとめさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は重要な点をぎゅっと詰めてご紹介させていただきました。最後にもう一度要点をまとめます。
- P点は総合評価値のこと
- 会社の評価を上げるためにはP点以外のX1~Wに注目すること
- 経審の結果は公表されている
この記事があなたの悩みを解決することを願っております。ここまで読んでくださりありがとうございました。