営業許可

建設業許可申請書(例付)|新規に許可を得たい方へ!書き方を具体的に解説

あなた

建設業許可申請書を書こうと思うけど、失敗が怖い

ーーと思うことはないでしょうか?不備があると、当然再提出を求められ、その分許可の取得が遅れてしまいます。確かに建設業許可申請書はきちんと作成すべき書類ですが、「不備無く書かなければ・・・」と思えば思うほど、すんなりと書き始められないものかもしれません。

この記事では許可を取得する上で必要な提出書類の一つ、建設業許可申請書(例付)を詳しく解説します。他にも「建設業許可申請書の書き方や流れを知りたい!」「建設業許可申請書の注意点は何?」などの疑問にわかりやすくお答えします。

葛西

建設業許可申請書(様式第一号)は、ご自分ですぐに作成できます。

この記事を読んで、建設業許可に少しずつ詳しくなっていきましょう。

建設業許可申請書(様式第一号)の記入例

以下の書き方を見ながら取り組めば、建設業許可申請書が効率的に作成できます。各記入項目について、説明していきます。

建設業許可申請書(様式第一号)のフォーマットは、国土交通省の許可申請書及び添付書類のP15あるいは許可を申請する各都道府県のHP(東京は東京都都市整備局の建設業許可手引、申請書類等)の本冊No.1:建設業許可申請書の様式からダウンロード出来ます。

それでは始めましょう。

なお、記入した文字が不要で消す場合、二本線のみで訂正印は不要です。

※法改正により令和3年1月1日以降の申請から申請書類への押印が不要となっています。しかし行政書士による代理申請の場合は、行政書士の押印が必要になります。

➀日付

窓口へ申請する当日の年月日を記入します。

②宛先

不要なものに横線を引き、申請先の宛名だけを残します。

③申請者

住所の記入は事実上の所在地と登記上の所在地が異なる場合、二段にして書きます。

(例)(事実上)中央区銀座5-5-5

     (登記上)中央区銀座5-4-3

なお、個人の場合は住民票の住所が登記上の住所となります。

申請者は法人の場合は代表者、個人の場合はその本人です。

代理人に作成を依頼している場合

申請者のほかに、この申請書又は添付書類を作成した者(代理作成者)がいる場合は申請者及び代理作成者の氏名も記入します。この場合作成に係る委任状の写しや作成等の権限を証明する書面を添付する必要があります。

➃太枠内は行政庁側記入欄なので記入しません(項番01・02・03)。

➄許可の有効期間の調整

すでに許可を受けている業種とともに複数を更新する場合や、許可日をまとめて更新(許可日を一本化)する場合は「1」、それ以外(新規の場合)「2」とします。

⑥項番04・項番05

項番04の「許可を受けようとする建設業」に今回許可を受ける業種に数字を入れます。該当の業種に一般建設業の場合は「1」、特定建設業の場合は「2」とします。

項番05の「申請時において既に許可を受けている建設業」は、申請する時点ですでに許可を得ている業種に数字を記入します。「新規」の場合ここには記入しません。

「更新」の場合はどちらにも記入します。

業種の略号一覧
土木一式工事業 (土) 11 鋼構造物工事業 (鋼) 21 熱絶縁工事業 (絶)
建築工事業 (建) 12 鉄筋工事業 (筋) 22 電気通信工事業 (通)
大工工事業 (大) 13 舗装工事業 (舗) 23 造園工事業 (園)
左官工事業 (左) 14 しゆんせつ工事業 (しゆ) 24 さく井工事業 (井)
とび・土工工事業 (と) 15 板金工事業 (板) 25 建具工事業 (具)
石工事業 (石) 16 ガラス工事業 (ガ) 26 水道施設工事業 (水)
屋根工事業 (屋) 17 塗装工事業 (塗) 27 消防施設工事業 (消)
電気工事業 (電) 18 防水工事業 (防) 28 清掃施設工事業 (清)
管工事業 (管) 19 内装仕上工事業 (内) 29 解体工事業 (解)
10 タイル・れんが・ブロック工事業 (タ) 20 機械器具設置工事業 (機)      

⑦項番06・項番07

項番06の「商号又は名称のフリガナ」はカタカナで記入し、濁点・半濁点は1マス使わず文字内に含め、「-」や「・」などの記号、スペースは詰めて省略します。ここに株式会社等は記入しません。

項番07の「商号又は名称」の欄に法人等略語を記入します。記入例のようにカッコに1文字使います。略語の例は次の表の通りです。

法人等略語一覧
株式会社 (株) 協業組合 (業)
特例有限会社 (有) 企業組合 (企)
合名会社 (名) 相互会社 (相)
合資会社 (資) 10 社団法人 (社)
合同会社 (合) 11 財団法人 (財)
協同組合 (同) 12 宗教法人 (宗)

⑧項番08・項番09・項番10・項番11・項番12

項番08・09の「代表者又は個人の氏名」及び「フリガナ」の姓と名は1マス空けましょう。支配人の氏名とは個人事業で支配人登録している場合に使います。

項番10の「市区町村コード」は総務省の全国地方公共団体コードの「都道府県コード及び市区町村コード」でわかります。隣りの欄に都道府県と市区町村を記入しましょう。

項番11の「主たる営業所の所在地」に市区町村以下の住所を入れます。番地は算用数字をハイフン(-)でつないで記入します。なお登記上と事実上の所在地が異なる場合は、事実上の所在地を記入します。この住所宛てに通知書が送られますので、確実に届く建物名・部屋番号までを記入してください。

項番12の郵便番号と、電話番号は左詰めでハイフン(-)でつないで記入します。ファックス番号は、ない場合はなしと記入しましょう。

⑨項番13・項番14

項番13の「資本金額又は出資総額」は右詰めで記入します。個人の場合は記入しません。法人番号は国税庁の指定を受けた場合には13桁の番号を記入します。

項番14の「兼業の有無」は兼業がある場合は「1」とし、「建設業以外に行っている営業の種類」にその内容を記入します。兼業のない場合は「2」です。

⑩項番15・項番16

項番15の「許可換えの区分」は許可換え新規の申請に使います。

許可換え新規というのは、建設業許可の行政庁(国土交通大臣や各都道府県知事)を変更することをいいます。大臣許可から知事許可へは「1」、知事許可から大臣許可へは「2」、知事許可から他都道府県の知事許可へは「3」とします。

項番16の「旧許可番号」は複数の許可をすでに持っている場合、その中で最も古い建設業種の行政庁コード・許可番号・旧許可年月日を記入します。

⑪連絡先

この申請書を作成し申請内容の質問等に対応できる者の氏名・電話番号・ファックス番号などの連絡先を記入します。なお閲覧される書類なので電話番号には個人携帯番号等を記入しないようにしてください。

ここでも行政書士による代理申請の場合は、必ず行政書士の職印を押印させます。

東京都で建設業許可を検討されている方はこちら

建設業許可は厳しい審査で取得は困難を伴います。自社の業務と並行して申請手続きを進めるのは多大な労力・費用をかけてしまい、業務に支障が出るかもしれません。

弊社では東京都の建設業許可が必要な方にサポートするため、建設業専門の行政書士を用意しております。代理申請を活用するなら、最短で確実に手続きできる経験豊富なおさだ事務所へぜひご相談ください。

小佐田

どんな疑問、急な申請にもお気軽にどうぞ。

建設業許可申請書 別紙一 役員等の一覧表の記入例

建設業許可申請書(様式第一号)の次ページにある別紙一、役員等の一覧表の記入例を紹介します。

別紙一は、前述と同じく国土交通省の許可申請書及び添付書類のP18あるいは許可を申請する各都道府県のHP(東京は東京都都市整備局の建設業許可手引、申請書類等)の本冊No.3:役員等の一覧表の様式からダウンロード出来ます。

なお、個人事業主が申請する場合はこの書類は不要です(令和4年現在)。

  • 窓口へ申請する当日の年月日を記入します。
  • 氏名欄は漢字でフルネーム、その上にフリガナをカタカナで記入します。
  • 代表取締役が株主を兼ねている場合は「代表取締役」、取締役が株主を兼ねている場合は「取締役」と記入します。
  • 役員に関しては「常勤・非常勤」のいずれかを記入します。株主等は記入しません(空欄)。

建設業許可の申請から許可になるまでの流れ

建設業許可の申請から許可になるまでの流れを簡単に説明します。

1.申請書の準備と作成

(1)建設業許可申請には多くの書類が必要です。そのためにはまず取得要件を満たしているかが重要です。もし要件を満たさないような部分があるなら、満たすよう改善していきます。

  • 前述の業種の略号一覧にあるように、まず29種類のうち自社の建設業がどの業種に当てはまるのか、かつ建設業許可が必要なのかを判断します。
  • 営業所の所在地はどの都道府県で、知事許可or大臣許可どちらの許可が必要か調べましょう。

(2)書類の作成は各都道府県で案内する手引きに従って進めましょう。申請書類や添付資料に虚偽の記載や改ざんをするなど不正行為が発覚した場合は取り消し処分になります。多大な損失になりますので十分に注意し作成します。

  • 建設業許可の申請で虚偽の記載をした場合、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金です(建設業法第50条)。

(3)個人情報が記されている参考資料の管理をしっかりしておきましょう。確定申告書や健康保険証などを提出する際は個人番号(マイナンバー)、保険者番号やその他記号について流出しないようマスキングしてコピーしたものを使います。

  • 近年は個人情報が漏れると悪用されるケースが多く報告されています。細心の注意を払いましょう。

2.申請書の提出

書類の提出先は知事許可の場合は本店or本社の所在地を管轄する土木事務所、大臣許可の場合も本店or本社の所在地を管轄する土木事務所でそこから地方整備局の審査も入ります。

各都道府県によって提出先に違いがあります。あなたの書類がどの地区の対応窓口なのか、受付日時など詳細までしっかり調べておきましょう。

申請書類を一通り準備できたら、役所まで行き申請手続きをします。受付窓口では申請書類に不備がないかチェックされます。

清水

ここをクリアして申請書類が受理され、ようやく審査スタートです。

3.申請書の審査

申請してから審査期間はだいたい1~4か月の間とされています。

申請後の審査から先は待つしかありません。許可までの時間の短縮には書類の準備と作成を早くするのが重要です。

審査の過程で内容に疑問や不備が生じた場合、新たに資料等を求めることも考えられます。その過程で時間を要することとなり、結果として許可基準を満たさなければ許可が下りません。

4.建設業許可通知書の送付

許可行政庁から許可が得られれば、申請した住所宛てに送られて終了です。

まとめ

ここまで建設業許可申請書(様式第一号)について解説しましたが、一つずつクリアしていけば、初めての方でもすんなり作成できることがお分かりいただけたかと思います。

しかし、全ての書類から見ればまだほんの一部です。全てを完成させるには膨大な作業になりますので、行政書士に相談し代理申請などを活用すると、建設業許可取得がスムーズです。

東京都内の建設業許可ならおさだ事務所にお任せください。ご相談・ご用件を承ります。

建設業許可申請は準備から手続きまで長い道のりです。この記事により建設業許可申請書(様式第一号)のことを十分理解し、次へとコマを進めるきっかけになれば幸いです。

おすすめ

-営業許可