営業許可

建設業許可なし業者への下請発注とは?軽微な工事とはなにかを徹底解説

元請は工事を発注する際に業者を選定するわけですが、建設業許可なし業者への下請発注をするケースも多いと思います。ですが、近年のコンプライアンスに関する意識向上といった点から、元請から下請に対して許可を取ってほしいというような要請が非常に多いといった状況です。

実際にそういったところで発注者と請負者、両方とも処分の可能性があるから、そういうリスクを下げるために許可は必要だと思いますよね。ですが、例えば昔からお付き合いのある業者だからといって何の確認もなしに下請けに選定していませんか?

もちろん元請と下請の協議のうえで請負取引が成立するわけですが、そこにはいくつかのルールが存在します。

今回の記事では、軽微な工事についてそのルールと、許可がないことによるトラブルを解説します。

建設業許可なしの下請発注に関して

「無許可でもできる工事=軽微な工事」という図式が多くの人の認識だと思います。よくあるケースが、元請から下請業者に建設業許可を取ってほしいと依頼をしたのですが、でも結果、取れませんでしたという時。許可のない会社からこういう質問はありませんか?

無許可の業者からの質問

「いくらまでなら工事できるの?」

「材料を元請支給にしたら450万になるんだけど、請け負う工事の金額は520万なんだけども、それはどう?」

「工事が600万円になりそうだから、元請に頼んで契約を二本に分けてもらった場合は大丈夫なの?」

上記のような質問がある中で、発注者は許可無し業者に仕事を発注することができるのでしょうか?

結論、金額と条件次第で発注可能でそれ以外は不可能です。それでは答えとなる知識を詳しく解説していきます。

無許可でも発注できる軽微工事

それでは「軽微な工事」というのは定義が決まっているのでしょうか?以下の4点で話していきたいと思います。

  • 軽微工事の金額
  • 金額に含まれるもの
  • 工事を分けた場合どうなるのか
  • 建築一式の例外

軽微工事の金額

  • 500万円未満
  • 建築一式のみ1500万円未満    

では500万円ちょうどだったらどうですか?500万円は許可がなくてもできますか?

結論、できません。500万円以上という表現の場合は500万円は含まれます。なのでこの500万円ちょうどを施工する場合は許可がいるということになります。

これは何気ないところだけど注意が必要なんです。税込500万で契約してしまったら。その工事は建設業法違反になってしまいますので、「以上」「未満」はしっかり確認したうえで使い分けるべきだと感じます。

金額に含まれるもの

軽微な工事の金額に含まれるものは何かというところなんですけど、軽微な工事に含まれるものは工事代金、これはもちろんですが、元請け(注文者)からの材料代、その材料を運ぶ運搬費用は軽微な工事代金に含まれます。そのすべてを含んで500万円未満ならOKということになります。

なので、工事代金が450万円、元請けから70万円分の材料を支給された場合はどうなりますか?

結論、できません。この場合は「450万+70万=520万」ですので、この場合は無許可では不可な工事に該当します。

一つの工事を二つ分けた場合どうなる?

  • 二つに分けても同一の工事と見られる

工事代金が600万円になりそうだから、「300万円+300万円」の2本に分けてもらえば大丈夫だよね? 結論、大丈夫ではありません。

一つの工事を二つに分けた場合はどうなるの?ということなんですけど、【建設業法施行令】第一条の2に書いてありますね。この場合は、分けても同一の工事としてみなすと書いてあります。なので、工事の契約を二つに分けた場合は大丈夫ですか?と聞かれた場合はだめですよと答えなきゃいけないですね。

建築一式の例外

  • 150㎡未満の木造住宅は施工できる

建築一式の例外ですが、これも同じ建設業法施行令に書いてあります。建築一式の場合だけ150㎡未満の木造住宅は、許可がなくても施工できるんですね。金額で言うと、1500万円未満の工事もできますし、150㎡未満の木造住宅も施工できる。という事です。

では一つ質問です。請負金額が「3000万円」の150㎡未満の木造住宅を施行は許可がなくてもできるでしょうか?

結論、この場合は許可なくてもできます。建築一式の例外で150㎡未満の木造住宅にあたるので、許可がなくても施工できます。これに該当する場合は、たとえ金額1億円になったとしても、無許可でできるということになります。

※ここでいう木造とは建築基準法に定める主要構造部が木造であることと言われています。

附帯工事とは

無許可業者には軽微な工事しか発注することができません。もちろん原則そうですが、皆さん「附帯工事」というものをご存じでしょうか?

建設業許可を受けて行う主たる建設工事を施工するためにどうしても切り離すことのできない必要な工事のことを言います。「主工事」と「附帯工事」は主従の関係にあるため、「主工事」の金額を上回ることはありません。よって、その工事は金額に関係なく500万円以上であっても、許可無し業者に任せることが可能です。

切り離せない従たる工事

「附帯工事」だけでは意味がなく、「主工事」に対して切り離すことのできない場合のみの工事ですが、実際従たる工事にはどんなものがあるのでしょうか?

例えば建物の外装塗装をする場合、足場がないと躯体上部の塗装ができません。その足場の組み立てが「附帯工事」とされます。他にも橋梁工事の梁や仮桟橋などの仮設工事と言われる工事が比較的多いです。

無許可で工事したトラブル事例

検索すると出てくるのですが、例えば、今年(2023年1月~6月時点)東京で営業停止処分を受ける業者が2つありました。どちらも無許可営業関係です。一つは機械工事をやっている業者で、下請業者が許可を持ってないのに500万円以上の工事を契約してしまったというので、32日間の営業停止処分となっています。

もう一つは、鉄鋼関係で解体工事の許可を持ってないにも関わらず、法令で定める金額以上の工事を請け負い、さらには都内で複数の現場において主任技術者を配置しなかったことでこちらも33日間の営業停止処分を受けています。

下請が許可取ってなくても、元請けも罰則をもらうことがあります。なので、元請の立場からしてみると許可を持ってる業者さんに仕事を頼む方が安全ですよ。といった話になると思います。もしも、追加工事など発生して、500万超えた状態でそのまま下請け契約してしまったりという話もあり得るので注意が必要です。

以下のリンクで違反事例を閲覧できます。

参考:国土交通省ネガティブ情報等検索サイト

処分を受けた元請業者はどうなる?

営業停止を受けたのち、処分の日数が3日であろうと30日であろうと罰則の重さに差はあれど、バツがついてしまうというところは、今後ずっと引きずっていくことになります。

許可を取った後、経営事項審査という建設業に対する通知表のような制度があり、その制度の中で営業停止処分など、そういった履歴があるとマイナス評価になりますので、バツがつくと確実に入札などが不利にはたらきます。元請にしてみれば審査結果やランクを見て下請業者を選定するわけですから、できるだけ悪いイメージのつく履歴はないほうがいいですよね。

まとめ

いかがだったでしょうか。それでは今回の記事のポイントを見ていきましょう。

ポイント

  • 許可なしでできる軽微な工事の定義
  • 附帯工事も許可なしでできる
  • 無許可営業で処分を受けると国土交通省サイトで公表される
  • 罰則を受けてしまうと今後の仕事が不利にはたらく
  • 【建設業許可】を取得している業者に仕事を依頼するのが安心

工事を発注する立場において「この現場はこの業者にお願いしたい」と思っても建設業の許可がネックになってしまって出せないというところが、機会損失につながってしまうと感じます。逆に、建設業許可を持っている業者だと500万以上の大きい工事を発注できて、それに伴って売上・利益を拡大できます。

あとは会社として建設業者としての信用というのがあるので、より大きいお客さん、まさに信用重視で、そういうところをしっかり管理している業者とのお付き合いというのは、会社としても安心できますよね。

当然、施工の難易度も上がり、責任も大きくなりますが、元請としても下請としても、常に会社としてのレベルアップを図り、将来的にも制度に沿った会社および現場の体制を構築していきたいものです。

建設業許可に関しての相談は「建設業専門 おさだ事務所」にご連絡ください

 

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