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「経営事項審査と建設業許可の関係は|業者ランクの決まり方・評価方法を解説」

建設業者は成績がよくないと大きな工事を請けられない!?

経営事項審査とは?建設業許可とは?

建設業者が公共工事を受注するためには入札に参加して指名を受けなければいけません。入札には予定価格に応じたランクの業者しか参加することができず、ランクによって受けられる工事金額が変わります。

ランク付けは経営事項審査(経審)という制度で評価を受けた点数により決定します。売上を左右する経審の評価方法を理解し、戦略を立てることがよりよい経営をしていく上で不可欠です。

それらの評価はどのように行われるのか解説していきます。

そもそも建設業(許可)とは?

建築一式工事と呼ばれる、家を一軒、ビルを一棟建築する工事や大規模な増改築工事のときは1,500万円以上、その他の工事は500万円以上の金額で工事を請け負う場合は建設業法上の建設業許可が必要です。
そしてそれらの工事の中でも公共工事の入札に参加する際には経審を受けていることが義務づけられており、評価の高さいわゆるランクが上位であればより大きな工事の入札参加が可能になります。

建設工事の種類は次のとおり29種定められており、それらの工事の種類に応じた許可を受けることとされています。

 

一式工事 土木一式工事
建築一式工事
専門工事 大工工事
左官工事
とび・土工工事
石工事
屋根工事
電気工事
管工事
タイル・れんが・ブロツク工事
鋼構造物工事
鉄筋工事
舗装工事
しゅんせつ工事
板金工事
ガラス工事
塗装工事
防水工事
内装仕上工事
機械器具設置工事
熱絶縁工事
電気通信工事
造園工事
さく井工事
建具工事
水道施設工事
消防施設工事
清掃施設工事
解体工事

 

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建設業許可が必要ない工事もある?

上記で示したとおり建築一式工事は1,500万円未満の請負工事か、または木造住宅建築で延床面積が150平米未満のいずれかに該当するのであれば建設業許可は必要はありません。
また、建築一式工事以外の工事が500万円未満でも同様です。

他にも
・自らが使用する建物を自ら建築する工事
・不動産業者が建売住宅を自ら建築する工事
・船舶や航空機など土地に定着しないものについての工事
・剪定、除草、草刈り、伐採
・道路・緑地・公園・ビル等の清掃や管理、建築物・工作物の養生や洗浄
・施設・設備・機器等の保守点検、(電球等の)消耗部品の交換
・調査、測量、設計
・運搬、残土搬出、地質調査、埋蔵文化財発掘、観測や測定を目的とした掘削
は許可の必要がありません。

評価方法

それでは公共工事の入札参加に必須である経審の評価方法について見ていきましょう。

評価方法その1 経営状況評点

まず評価項目のひとつめ、経営状況評点です。

経営状況評点(Y評点)は建設業財務諸表(建設業許可申請などで使用する建設業者の決算書)から経営状況の評点が割り出されます。

算出方法は

  • 負債抵抗力(純支払利息比率・負債回転期間)
  • 収益性、効率性(総資本売上総利益率・売上高経常利益率)
  • 財務健全性(自己資本対固定資産比率・自己資本比率)
  • 絶対的力量(営業キャッシュフロー・利益剰余金)

からなります。

評価方法その2 経営規模等評価

経営規模等評価は完成工事高の大きさや技術者の数などにより評価されます。
次の項目が算出根拠です。

  • 完成工事高(X1評点)
  • 自己資本額、利払前税引前償却前利益(X2評点)
  • 技術職員数、元請完成工事高(Z評点)
  • その他の審査項目(社会性など)(W評点)

評価方法その3 総合評定値

上記、経営状況評点と経営規模等評価の各項目にウェイトをかけることにより総合評定値(P点)が導き出されます。

総合評点P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.2Y + 0.25Z + 0.15W

が計算式です。

評価方法その4 主観点

最後に主観点と呼ばれる各自治体等が定めている独自の評価点数が加味されます。

公共工事の成績や、若手技術者の数、ISO登録の有無、建災防加入の有無など、工事主体である自治体によってさまざまです。

評価方法その5 格付け

総合評定値(客観点と呼ばれることもあります)と主観点を足したものが最終的な点数となりランク付けが行われます。

客観点+主観点=点数

入札資格

ある自治体の入札資格の格付けを例として見てみましょう。

 

格付   格付点数 発注標準金額
A 910点以上 7,000万円以上
B 755点以上910点未満

2,500万円以上

7,000万円未満

C 680点以上755点未満

1,200万円以上

2,500万円未満

D 680点未満

1,200万円未満

格付け点数というのが「評価方法その5」で示した点数です。
例えば上記表の自治体で客観点+主観点が900点だった場合、Bランクで2,500万円以上7,000万円未満の工事金額の物件に対して入札が可能です。
Bランクの業者はAランクの入札はもとよりC、Dランクの入札資格はありませんので注意する必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

公共工事を受注するためにはさまざまな項目について満たしていかなければなりません。
どれくらいの金額の工事を受注したいのか、どのくらいの評点を取る必要があるのか目標を立てましょう。
その目標を実現させるためにアクションプランを練りましょう。

経審での評価が公共工事の受注金額と直結しているため、経審をいかに攻略するかはまさに建設業者にとって経営戦略そのものであると言えます。

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