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【経営事項審査】スケジュール・やるべきことを3ステップで総まとめ!

公共工事の入札に参加するためには経営事項審査を受ける必要があります。入札参加資格を得るまでには決算日から約7カ月かかり、ずばり長期戦です。慣れないうちは必要な書類をそろえるのにも時間がかかります。さらに入札参加資格には有効期間があり、毎年途切れなく公共工事の入札に参加するためには計画的に申請する必要があります。

この記事では決算日から数えたスケジュールと、その時々にやるべきことをTodoリストとしてまとめました。

葛西

ぜひ最後までご覧ください!

ステップ① 経営事項審査のスケジュールを確認

経営事項審査を申請する場合は決算日をもとにスケジュールを組みます。つまり決算日から経営事項審査の申請はスタートしているのです。12月末が決算の事業所のスケジュール例をまとめますので、ぜひ参考にしてください。

  • 12月末日 決算日到来
  • 1月中 会計など決算処理
  • 2月中 決算書(確定申告書)作成・税金納付
  • 4月中 決算変更届(事業年度終了届)の提出
  • 5月中 経営状況分析の提出
  • 5~6月中 経営規模等評価を申請
  • 6~7月中 総合評定値通知書の到着
  • 7月~ 入札参加申請

※例えば3月決算の事業所の場合はプラス3カ月して確認してください。

ステップ② ToDoリストを作る【5つ】

おおまかなスケジュールが分かったところで、次は作業の内容を細かく見ていきましょう。経営事項審査の流れは段階的になっていて、たとえば申請して届く通知書が次の申請では必須書類になっています。【入札参加資格申請】を目指して常に次の作業を意識していなければスムーズにはいかないでしょう。複数の作業を同時にこなさなければならないので、このTodoリストを確認しながら全体像を思い描き、1つずつ確認しながら計画的に進めましょう。

決算日到来~1カ月目

どの事業所にも“決算日”はやってきます。事業主や会計担当者はよく分かるかもしれませんが、実は決算後~1カ月目が1年の中で一番忙しい時期です。会計を締める以外にも経営事項審査を受ける準備を行います。まずは決算変更届を出すために、【工事経歴書】や【直前3年の各事業年度における工事施工金額】の作成を進めましょう。

2カ月目

税理士に依頼して決算を締め、業績を確定させます。決算書(確定申告書)を作成してもらうと、売上に応じた納税金額が確定するので、2月中に税金を納めます。事業所が決算後に納める税金の種類は主にこの6種類です。

  • 法人税
  • 地方法人税
  • 法人県民税
  • 法人市民税
  • 消費税
  • 事業所得

1~4は会社の利益に対して20~30%かかります。5は預かった消費税と支払った消費税の差額を納めます。6は大規模事業所の場合のみかかります。

4カ月目

決算日を迎えてから4カ月以内に【決算変更届】(または"事業年度終了届"という行政もあります)を作成して提出します。これは建設業を取得している全事業者が必ず出さなければなりません。決算書の内容に基づいて届け出るので、虚偽の報告は絶対にできません。

決算変更届について詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になりますよ

小佐田

5カ月目

決算変更届を提出したら、次は【経営状況分析】を依頼します。経営状況分析とは、国土交通大臣に認められた指定の分析機関に決算変更届で作成した書類や決算書を送り、事業所の経営状況を第三者に見てもらい、客観的・会計的に数字化するためにあります。【経営状況分析結果通知書】として手元に届くまでには、通常2週間ほどですが、特に初めて申請する場合には、申請書の修正があるかもしれませんので、余裕を持って申請するようにしましょう。指定の分析機関については下記をご参照ください。

参照:国土交通省ホームページ│登録経営状況分析機関一覧

葛西

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6カ月目~7カ月目

【経営状況分析結果通知書】が届いたら、いよいよ次は行政に【経営規模等評価】の申し込みと、【総合評定値】の請求を行います。経営規模等評価の申し込みはほとんどの行政で予約が必要になります。さらに予約時間が細かく区切られているので、予約できる日が遠くなってしまう可能性もあります。また、書類の不備などにより再審査になる場合があり、再度予約をしてまた出向く必要があります。慣れないうちは申請が通るまで日数がかかることも計算しておきましょう。もしスムーズにいき審査が終われば、約20~30日程度で結果通知書が事業所に届きます。

また、総合評定値の取得は任意になっていますが、地方自治体、国など問わず、公共工事の【入札参加資格審査】を受けるにあたって、総合評定値を有していることが条件になっています。経営規模等評価の申し込みと総合評定値の請求は同時に行えるので、二度手間にならないよう一緒に審査を申し込みましょう。

葛西

通知書が届いたら、いよいよ入札参加資格申請ができます!

ステップ③ 有効期間を知っておく

公共工事を請け負いたい自治体に入札参加資格審査を申し込み、審査が通ると【資格審査結果通知書】(以下:結果通知書)がもらえます。結果通知書が届いたら公共工事を請け負うことが出来るようになります。この結果通知書には有効期間があり、いつ結果通知書が届こうとも、決算日から1年7カ月と決まっています。結果通知書が届いてからではなく、決算日から起算するので注意しましょう。

途切れなく公共工事を請け負うには

有効期間が1年7カ月なので、毎年忘れず経営事項審査を受けないと入札に参加できる期間が途切れてしまいます。決算日がA年12月31日の場合はこのようになります。

A年12月31日A年度決算日、経営事項審査を申し込む
B年7月頃結果通知書(A年)を受け取り、公共工事の入札に参加できる
B年12月31日B年度決算日、経営事項審査を申し込む
C年7月頃結果通知書(A年)の有効期間が切れる、結果通知書(B年)を受け取る

・・・・・・と毎年続けていくと、有効期間が重なるので途切れることがなく公共工事を請け負うことができます。

途切れてしまう場合

決算日がA年12月31日の会社が二年目に経営事項審査を申し込まなかった場合を考えてみましょう。

A年12月31日A年度決算日、経営事項審査を申し込む
B年7月頃結果通知書(A年)を受け取り、公共工事の入札に参加できる
B年12月31日B年度決算日、経営事項審査を申し込まない
C年7月頃結果通知書(A年)の有効期間が切れる=公共工事の入札に参加できなくなる
C年12月31日C年度決算日、経営事項審査を申し込む
D年7月頃結果通知書(C年)を受け取り、公共工事の入札に参加できるようになる

この場合、C年7月頃からD年7月頃までの約1年間、公共工事の入札に参加できなくなります。

葛西

せっかくなら続けて申し込んで、途切れることなく入札に参加したいですね

公共工事を受注することは、会社の売上向上にもつながります

小佐田

まとめ

  • 決算日から入札参加資格を得るまでには約7カ月かかる
  • 経営事項審査の申し込みは段階的で必要な書類も多い
  • 入札参加資格の有効期間は決算日から起算して1年7カ月
  • 毎年途切れなく申請し、続けて入札に参加したほうが売上につながる

経営事項審査とは、公共工事の入札に参加するために必要な審査です。公共工事は国民の税金を使いますので、経営に問題がないかを審査し、信頼できる事業所を選ばなければなりません。そのため申請は段階的で、1つひとつに時間をかけてしっかり審査されます。決算日から入札参加資格を得るまでには約7カ月かかりますので、スケジュールを組んで計画的に取り掛かりましょう。経営事項審査や東京都での建設業許可について不安なことがありましたら、まずは当事務所にご相談ください。

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