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建設業許可でも進む押印廃止|印鑑不要となった書類や注意点について解説

判子を使う機会がとても多い日本。銀行口座の開設や婚姻届、土地購入と手続きに判子は欠かせないですよね。

しかし、海外では日本のように判子を使う機会はほぼありません。そのことから、判子は日本特有の文化と言っても良いでしょう。

そんな判子文化日本において、2020年11月から行政手続きの9割以上を原則押印廃止とする事が決まり、2021年1月より施行されました。もちろん建設業許可も例外ではありません。

「これから許可を取得したいけど、押印廃止による注意点は何かある?」「知らないことで、起こるかもしれない手戻りを防ぎたい……」とお考えではありませんか?

この記事では、建設業許可押印廃止となった書類、注意点、押印廃止によるメリットデメリット等を解説していきます。これから手続きを行う方必見の内容となっております。ぜひご覧ください。

建設業許可で押印廃止となった書類とは

建設業許可には「(国土交通)大臣許可」と「(都道府県)知事許可」の2つの区分があります。大臣許可において、押印廃止となった書類は以下のページにて一覧で確認できます

建設業の許可申請書等の押印の不要について(PDF)|国土交通省

東京都知事許可ではどうでしょうか。こちらも建設業課より、許可申請書類の押印廃止に関する内容が提示され、法定様式(建設業法施行令で定められた書類)への押印が廃止となった旨確認できます。

建設業許可のご案内|東京都都市整備局

なお、東京都の申請でこれまで通り押印が必要な書類は以下です。

押印が必要な書類(東京都)

  • 申請を代行する行政書士職印の押印
  • 廃業届(全部/一部)の提出時の印鑑証明書※

※本人確認資料として、発行後3カ月以内のものを用意。廃業の理由(個人事業主の死亡や建設業の廃止等)により、確認資料は印鑑証明書に限らない。

もし、押印欄のある旧様式で申請書を作成してしまっても受付可です。新書式で作成し直す必要はありません。

各都道府県の押印廃止に関するリンク

各都道府県の押印廃止に関するリンクを以下に表でまとめました。

①北海道道内建設業者の皆様へ(PDF)|北海道庁
神奈川県
建設業法の許認可申請・届出等に係る押印の廃止について(PDF)|神奈川県㉗大阪府建設業許可申請手続き等に関するお知らせ|大阪府㊵福岡県建設業法施行規則の改正(令和3年1月1日施行)に伴う押印を求める手続きの見直しについて|福岡県
②青森県建設工事・建設関連業務関係書類の押印の見直しに関するお知らせ|(三八地域整備部)青森県庁⑮新潟県建設業許可に係る提出書類及び様式について|新潟県㉘兵庫県押印廃止に伴う建設業許可等の手続の取扱いについて(PDF)|兵庫県㊶佐賀県押印廃止説明資料(PDF)|佐賀県
③岩手県【建設業許可】建設業許可申請・届出(岩手県知事許可)について⑯富山県建設業法の目的(PDF)※押印廃止についての記載は20ページ|富山県㉙奈良県各申請・届出に当たっては、下記にご注意ください(PDF)|奈良県㊷長崎県令和3年4月1日以降における入札参加資格及び許可に係る申請書類等への押印を不要とすることについて|長崎県
④宮城県【押印が省略できる書類の一覧(建設業許可)】(PDF)|宮城県公式Webサイト⑰石川県建設業許可関係事務に関するお知らせ|石川県
和歌山県
建設業許可について|和歌山県㊸熊本県建設業法施行規則の改正(令和3年1月1日施行)に伴う押印を求める手続きの見直しについて|熊本県
⑤秋田県行政手続における押印等の見直しについて|美の国あきたネット⑱福井県建設業許可申請の手引き(PDF)|福井県土木部土木管理課㉛鳥取県建設業許可申請書類等の押印廃止について|鳥取県㊹大分県建設業許可申請書類について|大分県
⑥山形県押印が不要となる書類について(PDF)|山形県庁⑲山梨県申請書等への押印の廃止について(PDF)|山梨県㉜島根県建設業の許可について(お知らせ)|島根県㊺宮崎県建設業許可関係申請様式について|宮崎県
⑦福島県建設業許可申請の手引・様式等ダウンロード|福島県庁⑳長野県建設業の許可について|長野県㉝岡山県建設業許可申請・変更届に係る様式のダウンロード(令和5年3月30日更新)|岡山県
鹿児島県
建設業許可申請書類等の押印の廃止について|鹿児島県
⑧茨城県申請書等の押印廃止について(PDF)|茨城県㉑岐阜県建設業許可の広場|岐阜県㉞広島県県への提出書類等について原則,押印を廃止します|広島県㊼沖縄県建設業許可申請に係る様式の変更について|沖縄県
⑨栃木県建設業許可の申請手続について|栃木県㉒静岡県建設業許可|静岡県㉟山口県建設業許可等申請書類に係る押印廃止について(PDF)|山口県土木建築部監理課
⑩群馬県【重要なお知らせ】建設業関係各種申請・届出に係る押印廃止のお知らせ|群馬県㉓愛知県押印を求める手続の見直しに伴う建設業許可等手続の変更について(PDF)|愛知県都市・交通局都市基盤部都市総務課建設業第二グループ㊱徳島県建設業許可申請書等|徳島県
⑪埼玉県建設業許可等の手続における変更点について(PDF)|埼玉県県土整備部建設管理課建設業担当㉔三重県令和3年1月以降での建設業許可申請・届出等及び経営事項審査申請における押印の取扱いについて(PDF)|三重県㊲香川県申請書類等ダウンロード|香川県
⑫千葉県建設業許可に係る様式について|千葉県㉕滋賀県令和3年1月1日以降における建設業許可申請書等の受付について(押印の見直し)|滋賀県㊳愛媛県建設業法、浄化槽法及び建設リサイクル法等の規定に基づき申請又は提出する書類の押印等が不要となりました(PDF)|愛媛県
⑬東京都押印を求める手続きの見直しに関する建設業法施行規則の改正について(PDF)|東京都㉖京都府【重要】令和3年1月1日から申請書類への押印が不要になります(令和3年4月8日更新)|京都府㊴高知県押印を求める手続きの見直しに関する建設業法施行規則の改正について(令和3年3月10日)|高知県
※2023年9月10日現在

押印廃止に伴い、どの書類の押印が不要となったのかを一覧で明記している所もあれば、申請書類への押印が不要となった旨をシンプルに記載しているところもあり様々です。

押印廃止に伴う注意点

押印廃止に伴う注意点は、以下の3点です。

押印廃止に伴う注意点

  1. 自治体により取り扱いに差がある
  2. 訂正印の扱いに差がある
  3. 旧様式がいつまで通用するか定かではない

自治体により、押印廃止の取り扱いに差があるところは注意したい点です。例えば、主たる営業所を他の都道府県に移転させ、「許可換え新規」の手続きが必要になった場合、以前の自治体では受理されていたのに移転先では受理してもらえない――なんてことも考えられます。

▼「許可換え新規」に関しての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

基本的なところは、どの自治体もあまり差は無いように感じられますが、細かく見てみると独自のルールを定めている自治体も少なくありません。

愛知県ですと、訂正印による訂正は不可となっているので、訂正する場合は書類を書き直す必要があります。それは静岡県、福岡県、熊本県でも同様です。一方、香川県では押印無しの書類に押印済みの書類が含まれていても、可としています。長崎県では、訂正する場合は申請者印による訂正印が認められています。

また、今現在すべての自治体で、押印欄のある旧様式での申請が許されている状態ですが、いつ旧様式での申請が不可となるかは現時点ではわかりません。許可申請で遠回りをしないためにも、押印廃止の取扱いは各都道府県のホームページや窓口等でしっかり確認した方が良いでしょう。

東京都の建設業許可なら“おさだ事務所”へ

おさだ事務所は、東京都の建設業許可取得に特化した行政書士・社労士事務所です。

行政書士事務所を利用しなくても、建設業許可の申請は可能です。ただし、ご自身で申請を進めた会社さんからは「不備を指摘されては何度も足を運び、大変な思いをした」という話も聞きますので、本業への影響も覚悟して対応していかなければならないかもしれません。特に東京都の建設業許可は独特なやり方があり、求められる証明資料のハードルが一番高いと言われています。都庁に相談に行ったとしても「専門用語が多すぎて結局わからない」なんてこともあります。

各種証明書の取得も、おさだ事務所が代行いたしますので、あなたが仕事を休んで取りに行く必要はありません。豊富な経験と年間111件以上の実績に裏打ちされた知識を持ったおさだ事務所が、お客様の要望や緊急のニーズに応じて柔軟かつ迅速に対応いたします。他の事務所では通らなかった申請も、おさだ事務所なら問題なく申請が通る可能性があります。また万が一にも許可が下りなかった場合、費用は全額返金いたします。

相談は無料。一人親方からゼネコンまで、様々な規模の建設業者に対応いたします。建設業許可の取得に関して、少しでも悩まれましたらお気軽にご相談ください。

押印廃止の背景

行政では長いこと書類への押印手続きがスタンダードでした。そこへ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行し、対面での事務手続きや文書の受渡し等を軽減する必要性が出てきました。

従来の押印を必要とする手続きは、時としてデジタル化の推進およびテレワークの普及を妨げます。また、紙文書の印刷・郵送・保管などにはコストがかかりますし、紙の使用は森林資源の消費と廃棄物の増加を招き、環境に負荷をかけます。

こうして2020年9月、押印を伴う事務手続きのあり方が見直され、民間から行政への手続きの99.4%が押印廃止の方向で進みました。

小佐田

今回の押印廃止を糸口に、行政手続きにおける国民の負担の軽減および国民の利便性を図ることを目的としています。

参考:書面規制、押印、対面規制の見直し・電子署名の活用促進について|内閣府

▼こちらの記事ではオンライン申請について解説しております。ぜひご一読ください。

押印廃止のメリット

ずばり「判子を押す手間が無くなる」が唯一にして最大の押印廃止のメリットです。

もし押印漏れがあった場合、不備として扱われてしまいますので、後日改めて対応しなければなりません。また申請書類を確認する方も大変で、印鑑証明書を照らし合わせながら一つ一つの押印をチェックしていく手間がありました。

清水

これら押印漏れの心配や手間がなくなったことは大きなメリットですね。

押印廃止のデメリット

前述の『押印廃止に伴う注意点』でもお伝えしたように、訂正印による訂正が不可となっている場合は、書類を書き直す必要があります

葛西

一から書き直すとなると、面倒ですし大変です。

また、一部押印が必要な書類もありますので「全てが押印廃止になったわけではないからややこしい」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

まとめ

今回の記事では、建設業許可の押印廃止について解説しました。2021年1月から施行されたこの政策では、行政手続きの9割以上が原則として押印不要となりました。これにより、手続きの簡素化や効率化が期待されます。

押印廃止により、手続きの簡素化や効率化を促進する一方で、注意点もありました。今回の記事でお伝えした注意点は以下の3つです。

押印廃止に伴う注意点

  1. 自治体により取り扱いに差がある
  2. 訂正印の扱いに差がある
  3. 旧様式がいつまで通用するか定かではない

申請手続きで回り道しないためにも、やはり都度確認し、適切に対処していく必要があります。建設業許可の取得で悩まれるようでしたら、お気軽におさだ事務所までご連絡ください。

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