営業許可

専任技術者における【有資格区分】とは?意味や届け出の種類を紹介します!

建設業許可を受けるためには、営業所ごとに常駐する専任技術者を配置しなければなりません。専任技術者になるためには、【指定の国家資格を保有していること】または【一定の実務経験を有すること】、【常時勤務していること】、【営業所の専任であること】という条件があります。このうちの【指定の国家資格】について、資格ごとに割り振られている数字のことを「有資格区分」と呼んでおり、専任技術者を選任した時には氏名などと一緒に保有している資格を「有資格区分」をもって届け出ます。

  • 「2級の資格で届け出ていたけど、1級に受かったら変更が必要?」
  • 「営業所の専任技術者を追加したいけど、申請はどうすればいいの?」
  • 「一般建設業と特定建設業では有資格区分が違うの?」
  • 「有資格区分について知りたい!」

そんな悩みを一緒に解決していきましょう。

専任技術者について調べていたけど、「有資格区分」がよく分かりません

葛西
小佐田

有資格区分、届出の種類について一緒にみていきましょう!

専任技術者における有資格区分とは

専任技術者における【有資格区分】とは、資格ごとに割り振られた2ケタのコードのことです。専任技術者を選任したとき、専任技術者に変更があったときなどはその都度申請書を作成して提出する必要があります。このときに使用する、保有している資格を届け出る方法として【有資格区分/2ケタのコード】が使われます。まずは有資格区分について実際に使用されているコード表をもとに解説します。

有資格区分とは

特に国家資格は、正式名称が長く、記載時に書き間違えてしまうこともありますよね。「施工管理技士」「管理施工技士」どちらが正しいでしょう?普段からよく使う言葉ではないので、いざ記載する時に手が止まってしまうこともあります。そんな手間を省き、正確に保有資格を届け出る方法として、「有資格者コード表」があります。一般建設業許可用と特定建設業許可用があるので、一例を見てみましょう。

引用:国土交通省│別表(2)有資格コード表(PDF資料)

資格の長い正式名称を書かずとも、このコードで何の資格を持っているかが一目で分かりますね!

葛西

専任技術者とは

そもそも【専任技術者】とはどういう人がなれるのでしょうか。専任技術者とは建設業許可を申請した営業所に必ず配置しなければならない技術者のことです。元請けや発注者と工事について打ち合わせを重ね、見積書を作成したり工程を管理する立場です。取引や打ち合わせ、万が一現場でトラブルがあったときにすぐかけつけられるよう、営業所に常駐していることが条件です。

専任技術者になるには、いくつかの要件を満たす必要があります。要件は一般建設業許可、特定建設業許可により、若干の違いがあります。

一般建設業許可の専任技術者になるには

  • 指定の国家資格(2級レベル)を持っている
  • 学歴に応じた実務経験年数がある、もしくは許可を受ける業種で10年以上の実務経験年数がある

特定建設業許可の専任技術者になるには

  • 指定の国家資格(1級レベル)を持っている
  • 一般建設業許可の要件を満たしている
  • 指導監督的実務経験が2年以上ある

一般建設業許可と特定建設業許可の違いは、下請け業者に発注する金額により異なります。工事1件ごとに税込み4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の金額で下請け業者へ発注する場合は特定建設業許可を、それ以外の場合は一般建設業許可を受けている必要があります。どちらを持っていても、税込み500万円以上の工事を受注できます。上記の専任技術者になるための要件を見比べると、特定建設業許可のほうが要件が厳しくなっていることがわかりますが、下請け業者を守るためにより深い知識と経験のある専任技術者を配置しなければならないからです。

▼関連記事:【建設業】主任技術者と専任技術者の違いは?初心者にもわかりやすく解説

小佐田

国家資格も、一般建設業許可は2級レベルで特定建設業許可は1級レベル・・・・・・と厳しい要件になっていますね

この国家資格が「有資格区分」でわかれているんですね

葛西

専任技術者に関する届出

新規・変更など│様式第8号

新しく建設業許可を申請するとき、専任技術者に変更があったときなどに使う様式は【様式第8号(第3条関係)】です。

引用:東京都都市整備局│専任技術者証明書(新規・変更)(PDF資料)

様式第8号を使うとき

  • 新規許可取得
  • 専任技術者の担当業種または有資格区分の変更
  • 専任技術者の追加
  • 専任技術者の交替に伴う削除
  • 専任技術者が置かれる営業所のみの変更

この様式は一般建設業許可から特定建設業許可への「許可替え(般・特新規)」のときや、特定建設業許可のみ申請するときにも使えます。1~5に該当するときに各項目を記入していきます。このなかの【有資格区分】に上記の2ケタのコードを記載します。

小佐田

コードで記載するから楽ですね

様式第8号と一緒に提出する「専任技術者一覧表」という添付書類があります。届け出る専任技術者がどこの営業所の専任なのか、営業所ごとにまとめた書類です。こちらにも【有資格区分】を記載する欄があるので、2ケタのコードを書きます。

引用:国土交通省│別紙(4)専任技術者一覧表(PDF資料)

作成する書類が多いほど、ますます記載が楽になりますね

葛西
小佐田

2ケタのコードですが、似た名称があるので間違えないようにしましょう

建設業許可を取得した後の変更届出│様式22号の2

建設業許可を取得したあとに専任技術者の資格が変更になったときは、別の届け出が必要です。「新しく国家資格を取得した人がいる」「2級の資格で申請したけど、1級に合格した」など、日々の事業の中で変化があると思います。その時々にも忘れずに変更届け出を行いましょう。【専任技術者の有資格区分の変更】は業種追加を伴わない、有資格区分のみの変更が可能です。

引用:東京都都市整備局│変更届出書(第一面)(PDF資料)

専任技術者の変更はどう記載すればいいんでしょうか?

葛西

記載方法

専任技術者の有資格区分の変更を行うときは、変更事由(8)に○をつけます。中カッコ内が2行になっているので、一般建設業の場合は上段【建設業法第7条第2号】なので下段を二重線で消します。特定建設業の場合は下段【建設業法第15条第2号】なので上段を二重線で消します。

一般建設業の専任技術者について変更するときは【(8)建設業法第7条第2号に規定する営業所に置かれる専任の技術者】の変更について届け出るってことですね

葛西
小佐田

該当しないほうを二重線で消す、という記載方法です

添付書類・確認資料

変更届出書(様式22号の2)を提出するときは、下記の書類なども一緒に提出します。

  • 専任技術者証明書(様式第8号)
  • 資格証の写し
  • 雇用を確認する書類(健康保険証や雇用証明書など)

専任技術者証明書(様式第8号)は、変更後の新しい情報で内容を記載します。

小佐田

古い情報を上書きする感じですね

▼関連記事:【建設業許可】専任技術者が退職してしまった場合の手続きと対策を解説

まとめ

有資格区分とは、専任技術者を届け出るときに使う、資格ごとに割り振られた2ケタのコードのことです。

  • 新規で申請するとき
  • 専任技術者を変更するとき
  • 資格など、届け出ている内容に変更があったとき

記載例に沿って記入し、正しく届け出ましょう。

建設業許可を申請する営業所ごとに最低1人は配置しなければならない専任技術者。氏名や住所の変更はもちろん、保有資格に変更があった場合も届け出が必要です。国家資格の検定は年に1回程度ありますので、専任技術者の保有資格の見直し・確認も定期的に行うと良いでしょう。

東京都での建設業許可の申請や変更について不安な方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

おすすめ

-営業許可