営業許可

建設業許可を取得される方必見!どの業種の許可が必要か取得方法も解説!

より大規模な工事を請け負うため、建設業許可の取得をお考えの方も多いのではないでしょうか。

一口に建設業と言っても、様々な業種に分かれておりますので、いざ許可を取得するとなれば業種ごとに必要です。その種類分けされた業種はなんと29種!今回は、その業種に焦点をおき、解説していきます。

今後に向けそろそろ建設業許可をとろうかな…と、お考えの方にも必見の記事ですよ。

建設業の業種について頭に入れておいていただくことで、許可取得がスムーズに進むことにもつながります。今後の事業発展には欠かせない建設業許可について、この記事で理解を深めていきましょう!

建設業許可が必要な業種は?

建設業許可の取得は業種別です。平成28年6月の法改正により加わった、解体工事業も含め、現在は29種類もの業種にわかれています。

その中で、「一式工事」が2種、「専門工事」が27種という種別でわかれます。では建築一式工事と専門工事の内容も含め、建設業許可が必要な29種を見ていきましょう。

一式工事と専門工事の違いとは

一式工事とは、総合的な企画をし、指導などのもと土木工作物や建築物を建設する工事のことをいいます。元請け業者による工事で、全て自社で行うか、一部を下請けに任せます。

専門工事は一式工事2種を除いた27の業種があてはまります。それぞれ別の許可業種となるため、一式工事の許可を請けたとしても専門工事の施工はできなません。

小佐田

ここで注意していただきたいのですが、一式工事の許可で「すべての工事を請けられる」というわけではありません。

大規模で複雑な工事に対しては一式工事としての許可が必要になるのですが、例えばマンションの外壁工事を請けるとなると、「塗装工事」「防水工事」の専門工事の許可が必要になります。

そして家一棟を建てるとなれば、「建築一式工事」が必要になる、といった感じです。ですので、必ずしも一式工事があれば良いというわけでもありません。

では、その業種に分かれた専門工事も含めた29の業種を見ていきましょう。

建設業許可が必要な29種とは?

業種は建設工事の種類ごとに区分けされています。さっそく経営形態にあてはまる業種を見てみましょう。

No 建設業 内容
1 土木一式工事 総合的な指導や企画、調整をもとに土木工作物を建設する工事。
2 建築一式工事 総合的な指導や企画や調整をもとに建築物を建設する工事。
3 大工工事業 木材を加工し、取り付けなどをする工事。(木製設備の取り付けも含む)
4 左官工事業 壁土・モルタル・漆喰など、吹付やこて塗りを行う工事。
5 とび・土木、コンクリート工事業 足場の組み立て、重量物の運般配置や鉄骨などを組みたてる工事。
くいうち・抜き及び場所で打ち抜き、うち杭をする工事。
土砂などの掘削、盛り上げ、締固めなどをする工事。
6 石工事業 石材を加工し、工作物を石材に取り付けたり築造する工事。
7 屋根工事業 瓦・金属薄板・スレートなどで屋根をふく工事。
8 電気工事 発電・変電・送配電・校内電気の設備工事。
9 管工事業 冷暖房・冷凍冷蔵・給排水などの管を使用し、水・油等をそうはいするための設備を設置する工事。
10 タイル・レンガ・ブロック工事業 コンクリートブロックやレンガなどで工作物を築造、また、工作物を取り付けたり貼り付けたりする工事 。
11 鋼構造物工事業 形鋼、鋼板などの鋼材の加工や組み立てにより工作物を築造する工事。
12 鉄筋工事業 棒鋼などの鋼材を接合・加工・くみ立てをする工事。
13 舗装工事業 道路などの地面をアスファルトやコンクリート・砂・砂利などで舗装する工事。
14 しゅんせつ工事業 河川・港湾などの水底をしゅんせつする工事。
15 板金工事業 金属版を加工したものや付属物を工作物にとりつける工事。
16 ガラス工事業 工作物にガラス加工したものを取り付ける工事。
17 塗装工事業 塗料等を工作物に吹き付けたり塗り付けたりする工事。
18 防水工事業 アスファルト・モルタル・シーリング材等によって防水をする工事。
19 内装仕上げ工事業 木材・石膏ボード・壁紙・床・タイル・たたみ・ふすまなどで内装仕上げをする工事。
20 機械器具設置工事業 機械器具の組み立て等により工作物を建設したり機械器具を取り付ける工事。
21 熱絶縁工事業 冷暖房、冷凍冷蔵、動力設備等の熱絶縁工事。
22 電気通信工事業 有線電気、無線電気設備など主に通信電気設備を設置する工事。
23 造園工事業 整地を行ったり、樹木の植栽・庭園・公園・緑地等の苑地を築造する工事。
24 さく井工事業 さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事。
25 建具工事業 サッシや木製・金属性建具・シャッターなどを取り付ける工事。
26 水道施設工事業 上下水・工業用水の為の取水、浄水、排水等の設備を設置する工事。
27 消防施設工事業 火災報知器・避難設備などの設備を設置したり、工作物に取り付けをする工事。
28 清掃施設工事業 し尿処理、ごみ処理施設を設置する工事。
29 解体工事業 工作物の解体をする工事。

中にはわかりにくかったり、とてもややこしい業種もあるので、一部紹介したいと思います。

清水

太陽光パネル工事を例に見てみます。『屋根工事』と『電気工事』どちらにあてはまるでしょうか?

どちらにもあてはまる可能性があるのですが、太陽光パネルには『置き型』と『一体型』が存在します。

  • 置き型…もともとついている屋根の上に架台等で据え付けるパネルです。→『電気工事』
  • 一体型…パネル自体が屋根としての役割も果たしているものになります。→『屋根工事』

上記のように、同じような工事であっても、取り付ける種類や方法によって工事の種類がことなりますので注意が必要です。

ポイント

経営業務の管理責任者と専任技術者が要件を満たしていれば、複数の許可を取ることも可能です。

要件については後半に説明していますのでそちらをご参考にして下さい。

建設業許可の区分について

「軽微な建設工事」以外の大きな建設工事を請け負うには建設業許可を持っていないと請け負う事ができません。

各必要な業種についてはお話をしてきましたが、建設業許可は他にも区分わけされている条件があります。次は業種以外の区分わけについても紹介していきます。

軽微な工事とは

建設業許可がなくてもできる小さな規模の工事になります。

  • 建築一式工事→請負代金が1,500万円未満、または延べ面積が150㎡未満の工事
  • その他の工事→請負代金が500万円に満たない工事

一般建設業と特定建設業

請け負う形態によって違う「一般建設業」と「特定建設業」というものがあります。この二つの違いは、請け負い方や請け負う時の金額によって分けられています。

では、詳しくみてみましょう。

一般建設業

発注者からの直接工事を請け負う元請けとして営業する場合で、請け負った工事の全部、又は一部を下請けに出す時の下請け金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)未満になる場合。

または、下請けとしてのみで営業する場合。

このような場合に必要となるのが一般建設業許可になります。

特定建設業許可

発注者からの直接工事を請け負う元請けとして営業する場合で、請け負った工事の全部、又は一部を下請けに出す時の下請け金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上になる場合。

このような場合に必要となるのが特定建設業許可になります。

清水

元請けとして許可を取るか、下請けとして許可を取るかを考えるとわかりやすいと思います。

すべてが下請けの場合は一般で、発注者から直接の元請けの場合は特定ということになります。

葛西

注意点

  • 区分される金額は一件の工事に対する金額の事をさします。
  • 消費税及び地方税は含んだ額として区分されます。
  • 元請け人から用意された資材は金額に含まれません。
  • 一つの業種において、一般建設業許可と特定建設業許可の併用で取得はできません。(業種が違えば可能です)
葛西

金額だけみると大きく分けられているように感じますが、消費税だったり、材料費のことだったり細かい部分もありますので、注意が必要です。

知事許可と大臣許可

次は、「知事許可」と「大臣許可」についてご紹介します。

この許可の違いは”営業所がどこに何か所あるか”というのが違いのポイントになってきます。ここで指す『営業所』とは、本社、支店、営業所など別々ではなく、建設工事の請負契約を常に締結している事務所のことです。

以上を踏まえ、知事許可・大臣許可の違いを説明していきます。

知事許可とは

すべての営業所が同一の都道府県にある場合は都道府県知事の許可が必要になります。

例をご紹介します。

  • 本社が東京都にあり、それ以外には営業所等がない場合
  • 本社が東京都目黒区にあり、営業所が調布市にもあるが、東京都以外には営業所がない場合

大臣許可とは

営業所が2か所以上あり、それぞれの営業所が別々の都道府県にある場合は、国土交通大臣の許可が必要になります。

例をご紹介します。

  • 本社が東京都にあり、営業所が埼玉県にある場合
葛西

許可をもらう区分は違いますが、この2つの許可に請け負う工事の内容には関係ありません。

同じ申請者では、知事許可と大臣許可の両方を取得する事はできないんです。

小佐田

許可取得はおさだ事務所へ

建設業に対して、区分わけや業種のご紹介をいたしましたが、建設業許可取得の条件にはその他にも様々な条件が必要になります。現在のお仕事をこなしていきながら、建設業許可取得に向けて時間を費やしていこうとなるとなかなか時間が取れず、後回しにしてしまっていては、先に進めません

そこで近道となるのが専門の行政書士に相談する事です

私たちおさだ事務所はお電話一本で、フットワークを生かし、建設業許可の取得へ事業者様のお手伝いいたします。東京都での実績は十分にありますので、ご安心ください。

必ずお力になりますので、皆様のご連絡、心よりおまちしております。

建設業許可取得の要件とは?

区分わけについて紹介してきましたが、最後は建設業許可をとるための大事な要件をご紹介したいと思います。

建設業許可の取得には要件を満たす必要があります。その要件を満たしていないことには、建設業許可は取得できません。許可の取得に重要な要件についてもしっかり理解を深めましょう。

建設業許可取得に必要な6つの要件

建設業許可を取得するには6つの要件を満たす事が必要になります。

厳しいかもしれませんが、一つでも満たすことができなければ、許可の取得はできません。また、経験が必要になるような難しい要件もあるのが現実です。

取得は難しいですが、許可があると会社の信頼度が大きく変わりますし、より大きな工事を請け負う事ができます。事業の幅が広がりますし、許可があるかないかでは雲泥の差です。

では、6つの要件を簡単に紹介していきます。ここでは大まかな解説になりますので、詳しくはこちらの記事でもご確認ください。

経営業務の管理責任者がいること

常任役員等のうち一人が建設業における経営業務の管理責任者として一定以上の経験を有していることが求められます。

  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者、またはそれに準ずる地位にあたり経営業務の管理責任者としての経験がある
  • 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者を補佐する業務経験がある
  • 5年以上の役員等としての経験を有し、かつ建設業に関し2年以上役員としての経験がある
  • 建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、かつ5年以上役員等または役員に次ぐ職制上の地位にあるものとしての経験がある

専任技術者が各営業所にいること

営業所には工事の専門となる技術者が必要です。

  • 所定学科卒業者
  • 10年以上の実務経験者
  • 資格や免許等を有する者

上記の経歴が証明できるものが必要になります。

財産的な基礎があること

建設工事を請け負うにあたり、資材の購入や労働者の確保などにはかなりの資金が必要となってきます。建設業許可取得後は今まで以上に大きな資金が動いていくことになります。

そのため、ある程度の財力が必要になります。

自己資金が500万円以上または、500万円以上の資金調達能力が求められます。

誠実性があること

建設業許可の営業は信用を前提としています。その為に不正行為はあってはならない事です。

法人である場合は当該法人・役員・政令で定める使用人が、個人である場合は本人または政令で定める使用人が請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれがあきらかなものでないことが必要です。

欠格要因に該当していない

下記のような項目に該当しない事が必要です。

  • 許可申請書や添付書類に虚偽の記載があった場合
  • 成年被後見人もしくは被保佐人、又は破産者で復権を得ない者
  • 不正な手段で許可をうけた
  • 廃業届けを提出しその届けてから5年がっていない場合、また
  • 営業停止になり、まだ期間が経過していない
  • 暴力団員がその事業活動を支配するもの
  • 心身の故障により建設業を適切に営むことができない
  • 禁固刑や罰金刑など警察のお世話になっている

本人はもちろん、支配人にあたる人や、支店長・営業所長があてはまる場合も該当していないことが条件になります。

適正な社会保険に加入している

令和2年10月1日以降、保険への加入が許可要件として追加されました。

保険 経営形態 加入の要否
1 社会保険(健康保険・厚生年金保険) 法人事業所 すべて
個人事業所 常時従業員を5名以上雇用している場合に必要
2 雇用保険 法人・個人 労働者(アルバイトやパートを含む)を一人でも雇っている場合は加入しなければなりません。

このような6つの要件をクリアできれば許可取得はもう目の前です。

「いやいや…難しい事だらけで読む気がなくなった…」なんてあきらめるのは早いです!

そんな時ほど、先ほど紹介いたしました専門の行政書士へご相談ください。あきらめていた道も必ず切り開けるはずです!!

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は業種のご紹介から建設業許可取得への大事なポイントをご紹介いたしました。

業種や区分わけ、許可取得に必要な6つの要件を理解する事で、建設業許可取得へぐっと近づいたはずです。内容が理解できてもなかなか整理していく時間がない場合も、専門の行政書士にお気軽にご相談いただければ、おのずと道は開いてきます。

この記事を読んでくださっている方の中には、建設業許可取得に向け一歩踏み出している方もいらっしゃるかと思います。

そんな皆様の、さらに大きな一歩につながりますと幸いです。

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