建設業許可が下りた時にいちばん最初にやるべきは営業所・工事現場すべてに「許可票」(標識)を掲示することです。なぜなら、発注先から選ばれる信頼ある資格取得業者だということを第三者に証明することができるからです。
このように許可票掲示義務や記載内容など具体的にどのようなルールがあるのでしょうか? また、掲示しなかったことによる「ペナルティ」についても触れていきたいと思います。
掲示ルールを守っていないとペナルティもあるんですね。
逆に言えば掲示することで信頼と実績のアピールになるんだよ。
建設業許可の現場に信頼・信用を示す許可票を
建設業許可は、建設業法に基づき適正な施工を確保する為で、取得するには、技術、資本、経営力、誠実性などの厳しい要件を満たし初めて許可が下ります。
一方、工事を発注する側に立って考えると、長年年月をかけて完成するような特に大きなプロジェクトの場合は、必要な建設業の許可を取得している業者に依頼する必要があります。しかし、本当にその業者が許可を得ているのかの確認は容易ではありません。
そのため、【許可票】をいつでも誰でも見れるように掲示することで、許可を受けた業者だという事実を証明することができて、発注元も安心して工事を任せられる信用・信頼を示すものとして考えられています。
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掲示する場所
こちらも建設業法によって規定があり、会社(支店・営業所を含む)の誰でも見やすい箇所に掲げることが決まりです。
実際に工事を施工している現場がある場合は、その現場にも掲げる決まりとなっております。
筆者も経験がありますが、建設会社に入るとまず許可票が目に入りますし、実際の工事現場を見ても現場事務所の前に朝礼ボードと共に設置していることが多いです。ただ、会社と現場に掲示する場合で多少ですが、内容に相違があるのでよく確認しておきましょう。
許可票の記載内容
こちらの内容が法律によって規定された作業現場に掲示する標識です。
会社での標識とは若干異なりますが、今回は工事現場での標識についてです。
現場に掲示する記載内容
- 商号並びに名称
- 一般建設業または特定兼月業の別
- 許可番号と許可を受けた建設業(当該工事に関連する許可の記載)
- 許可年月日
- 代表者の氏名
- 主任技術者の氏名または監理技術者の氏名
- 主任技術者の資格(実務経験の場合は「10年以上の実務経験」)
3の許可番号は5年に一度の更新ですので、更新時期を跨いで工事現場が動く場合には更新後、速やかに変更しなければなりません。
大きさと材質
工事現場の標識の大きさも規定があります。
縦25cm以上 × 横35cm以上 が既定の大きさです。
「金看板」とも呼ばれるので金属素材を用いてつくるのが一般的でありますが、実際その素材や色には決まりがありません。実際、透明アクリル素材や木目調の目を引くようなデザインの標識も多くみられます。
看板業者に依頼して作成してもらうケースも多く、実際に掲示されるものに関しては、長い工期の現場であれば数年単位で常に屋外にて風雨にさらされるので、丈夫な材質を用いてつくるのがよいでしょう。
ルールを逸脱した場合
もしも現場に掲示しなかったなどルールを破った場合、どうなるのでしょうか。標識を掲げない場合、10万円以下の罰金に処される事があります。
早々に罰金を支払うかといえば必ずしもそうではありませんが、土木、建築、海洋、舗装など現場というのは多岐にわたります。その現場ひとつひとつに許可票が必須であり、忘れることは許されません。また、更新によって番号が変わった場合は、速やかに新しい建設業許可票を作成しなければいけません。
以前の許可番号のまま放置していたり、無許可の業種の掲載をしていたりなど、明らかに誤認を与える表記も過料の対象となってしまう場合があるので十分に注意しましょう。
まとめ
ポイント
- 【許可票】とは会社の信用を証明するもの
- 誰もが見やすいところに掲示する
- 「会社内」と「現場」によって記載内容が違う
- 「許可票」のサイズにも規定がある
- 掲示ルールを逸脱した場合のペナルティ10万円以下の過料
筆者が建造物の作業現場に従事した過去を思い出すと、基礎や仮設、型枠、鉄筋など、各専門業者の許可票がその業者の数だけ並べてボードに掲示したのを覚えています。
一つの建造物を完成させるために各専門業者が集まって連携しながら施工していくわけですから、発注元にとっても信頼ある業者を選びたいはずです。信頼関係がなければ一つの工事現場で円滑に各工程を進めていくことはできないからです。
そこで、この許可票というのは許可票を得たという信用を第三者に証明するツールだと考えられるでしょう。不適切な掲示ルールでペナルティを課されるのも不本意ですよね。
【許可票取得=信頼・信用】だからこそ、せっかく厳しい要件をパスして取得しているので、掲示ルールに則り自社の信頼度を公にできるチャンスと捉えましょう。
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