建設業許可が、本当に必要かどうか疑問を持つ方もいらっしゃいます。
現状維持でも構わない方は、わざわざ大変な思いしてまで取得しなくても、すぐには仕事に支障がでることはないでしょう。しかし、今後、防水工事業は仕事の多様化に対応しなければ生き残っていけません。

建設業許可を取得することは、業務拡大・企業の体質改善にもつながります!
そこで、少しでも皆様のお役に立つため、この記事を作成しました。
防水工事の注意事項・工事内容と将来の防水工業についても解説しますので、是非最後までお付き合いください。
建設業許可における防水工事業の未来とは

防水事業は過去に行われた維持管理がメインになっていますので、大量に建てられた建物がある限り、メンテナンスを必要とする物件はなくなりません。また、日本は地震大国で台風も多いため、防災の観点からも防水工事には必要価値があります。
生活の安心安全を守るという観点から、防水工事の需要は今後も増えていくことが予想されます。

防水工事はみんなの安全を守る責任のある仕事です。
今後の防水工事業者の方向性を詳しく解説
防水工事業者が業績をあげるために、「事業分野」「エリア」拡大することが必要になります。そこで、専門性の高いスキルをもつ防水工事業者の需要が見込まれる「インフラ維持・整備」「リフォーム・リニューアル事業」を解説していきます。
インフラ維持・整備の必要性
インフラは高度経済成長期の1960年代から1970年代に集中的につくられ、今後老朽化が一斉に進みます。そのため、適切な維持管理には点検・診断・評価・劣化予測などの「メンテナンスサイクル」が欠かせません。
長期にわたり、安全なインフラを維持する必要があるので、維持修繕工事比率が増加傾向になっています。
下記の表をご覧ください。

維持修繕工事比率
- 民間部門:1999年の20.5%から2014年の27.5%に増加傾向にあります
- 公共部門:1999年の16.0%から2014年の28.7%に増加傾向にあります
このように、予算を大幅に増額し、災害時に人命・経済・暮らしを守り支える重要なインフラの機能を維持できるよう対策を、公民一体で取り組んでいます。
リフォーム・リニューアル工事を取り込む
2020年度の第2四半期(7~9月期)に新型コロナウイルス感染症が一気に拡大すると、右肩上がりだったリフォーム・リニューアル市場は失速し、前年同期比マイナスとなりました。実際の受注高を見ても、前年同期の2兆2,750億円から1兆9,895億円(12.5%減)と大きく減少しました。
しかし、直近の2021年度になると、再び前年同期比がプラスに転じました。非住宅建築物の受注高も前年同期を上回っています。
下記の表をご覧ください。

現在の状況
コロナ前の水準には戻っていないものの、一旦底をついた形になりました。
リフォーム・リニューアル工事の今後の展望
今後のリフォーム・リニューアル市場規模は、建物をリノベーションして売り出す営業展開が予想されます。
かつては増改築がメインだったリフォーム・リニューアル事業ですが、現在は大地震・大型台風の影響から耐震・防水に不安を感じて補強するケースが増えています。
コロナ禍での新しい生活スタイルの導入により、リモートワークに対応した部屋へリフォームする人も増えています。
少子高齢化のため
- 「廊下や玄関に手すりを取り付ける」
- 「部屋の段差をなくす」
バリアフリー工事するケースが急増しています。
防水工事業の注意事項と工事内容

防水工事業は「とび・土工工事業」や「塗装工事業」と関係性の高い業種ですので注意が必要です。
- とび・土工・コンクリート工事との違い
トンネル防水工事などの土木関係の防水工事は「とび・土工・コンクリート工事」に該当しますが、建築関係の防水工事は防水工事業に該当します。
- 左官工事との違い
防水モルタルを用いた防水工事は、「左官工事業」「防水工事業」どちらの業種の許可でも施工可能です。
防水工事の内容は主に6種類です
「アスファルト」「モルタル」「シーリング材」などを使う防水する工事で、
- アスファルト防水工事
- モルタル防水工事
- シーリング工事
- 塗膜防水工事
- シート防水工事
- 注入防水工事
6種類を順に解説します。
アスファルト防水工事
アスファルト防水とは、アスファルトの高い防水性や粘着性を利用して行われる防水工事のことで施工不良が起こりにくく、防水工法の中で最も歴史が長いため、信頼性の高さが特徴です。
アスファルトでコーティングした合成繊維不織布のルーフィングシート(屋根用の防水シート)を貼り重ねていくため、他の防水工事と比べて高い防水性能をもち、耐用年数15~25年程度と長く、最も高い強度があります。
ただしアスファルト防水するには大掛かりな設備が必要なため、おもにマンションやビルの屋上に施工されます。
モルタル防水工事
防水工事の一種である「モルタル防水」は、他の防水工事と比較しても確実な防水機能が期待できるとはいえません。
「モルタル防水」は、おもに「防水モルタル」で仕上げた防水層のことを指します。雨漏りが起こっても問題ないような場所への施工に限られ、地下・鉄筋コンクリートの庇(ひさし)などにモルタル防水が使われたりします。
築年数の古い建物では「モルタル防水」で仕上げている部位が多く見られます。メンテナンス時期は10年前後と言われているため、症状に応じて塗装工事(塗り替え)や張り替え工事する必要があります。
シーリング工事
シーリング工事とは、「建物の外壁ボード間のつなぎ目」や「外壁とサッシの隙間」など、動きの多い目地または隙間などに高度の防水性・機密性等を確保することを目的とした工事のことです。
外壁目地にシーリング工事を施すことで、外壁材の内側に雨水が入りにくくなり、外壁の劣化を防ぎます。つまり開口部との隙間を埋めるために使用されているものがシーリングです。
塗膜防水工事
塗膜防水工法とは、塗料を塗り重ねることで「防水層」を作り、雨水などの水分が下地になっている建材に浸透するのを防ぐ施工のことです。
「ウレタン樹脂」「ポリエステル樹脂」を使用し工事現場で仕上げるため、凹凸の多い形状などにも「塗り」で対応でき、どこでも施工できることがメリットです。施工も簡単で、安価なうえ、条件や施工方法によっては、既存の防水層を撤去する必要もありません。
塗膜防水工法は現在、一般家庭や商業ビルなど幅広い場所で採用されています。
シート防水工事
シート防水には、機械固定法と密着工法があり、施工場所や予算などによって採用したい工法も変わります。
シート防水は耐用年数(15年程度)と工費とのバランスが良いため、コストパフォーマンスが高い工事になることが特徴です。また、均一な厚みなため、一度に広範囲でムラなく仕上げられます。下地の撤去が不要で、調整の必要もほとんどありません。
初めて防水工事する場合はもちろんのこと、先に施工した防水工事がシート防水以外の方法だった場合でも、シート防水での施工が可能です。
注入防水工事
鉄筋コンクリートの建物には必ずと言っていいほどヒビ(クラック)が入ります。建築物の外壁コンクリートのモルタル仕上げやタイル壁の下地が浮いた状態の場合は、壁内部の浮いている隙間に対し、樹脂系の注入剤を圧入し、樹脂材硬化により隙間を硬く埋める事が出来ます。
樹脂注入により、軽度なクラック・浮きの漏水問題は解消できます。
こちらは、防水工事の種類・特徴を徹底解説した動画です。宜しければご覧ください。
【建設業許可】防水工事業で専任技術者になる方法を紹介

専任技術者とは、建設工事の営業所に常勤で工事の方法・工事の仕様の検討や決定などをする技術者のことです。ここでは資格や実務経験の有無など、防水工事業の建設業許可に必要な専任技術者の要件を紹介します。
防水工事業で専任技術者になるには
防水工事業で専任技術者になるには、大きくわけて3つの方法があります。ここではその方法について、詳しく解説していきます。
資格保有者で実務経験なし・学歴不問
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)
- 技能検定・防水施工
- 基幹技能者・登録防水基幹技能者
- 基幹技能者・登録外壁仕上基幹技能者
土木工学または建築学などに関する学科を卒業後一定期間の実務経験
- 大学卒業後、防水工事に関する3年以上の実務経験
- 高校卒業後、防水工事に関する5年以上の実務経験
防水工事業に関する10年以上の実務経験
- 資格なし・学歴不問で防水工事業の実務経験10年以上がある方
勤続年数の管理には注意が必要です
下記はエクセルのYEARFRAC関数を使用した、勤続年数管理表です。

この表を使用した管理方法については、こちらの記事に詳しく記載しています。是非ご覧ください。
内部リンク予定「【建設業許可】大工工事業とあわせて取得したいオススメ5業種を紹介します。
資格要件を満たした人物
入社時にリストに加え、実務経験を満たしたら「資格要件を満たした者」の列に移動させるだけです。
防水工事業で建設業許可を取得するなら、おさだ事務所へ

おさだ事務所は、取得困難な東京都の建設業許可に特化しています。相談無料・許可が下りなかった場合、全額返金保証をいたします。

「まずはお気軽にお問い合わせください。」

まとめ
建設業許可で防水工事業を取得するメリット・防水業界の動向について解説させていただきました。
防水工事は、人々の生活を守るために必要不可欠な工事ですので、リノベーションして売り出す営業展開が予想されます。したがって、業務拡大・企業体質を改善するためにも、大きなメリットがある建設業許可の取得をおすすめします。
しかし、忙しい現場仕事の合間をぬって慣れない申請手続きをするのは大変です。その点、行政書士に代行依頼すれば、本業に集中できます。
おさだ事務所は、東京都の建設業に特化した行政書士事務所です。東京都内での建設業許可申請件数は2600件以上の実績があります。「建設業許可を取得したい」と思ったら、当事務所にお気軽にご相談ください。