営業許可

【建設業許可】営業所の写真は何を撮影する?スマホでの撮影のコツも紹介

建設業許可の書類作成には、難しい文字がたくさん並んでいたり、数字を書き込むところが沢山あります。そんな関連書類の中でちょっと異質なのが、営業所写真を張り付ける「営業所の確認資料」です。写真を撮って張り付けるだけなら簡単!と思われがちですが、意外にも決まりごとが沢山あって、コツが必要なのです。今回はこの営業所の写真について、詳しくまとめていきます。

ちなみに写真が必要かどうかは、許可を申請する都道府県によって異なります。

葛西

写真が不要な都道府県の方は関係ないと思われがちですが、ちょっと待ってください!

最近では現場写真をスマホで撮影する方も増えていますよね。その際に「逆光」「ブレる」等の悩みはありませんか?この記事では、ちょっとしたスマホの悩み、今更誰にも聞けないスマホ写真の上手な撮影方法を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいってください!

【建設業許可】営業所の写真では何を撮影するの?

撮影に入る前に、まずは事務所写真のポイントをおさえましょう!基本的な項目は、どの都道府県でもほぼ共通です。主に3つの項目に分けられます。

営業所写真のポイント

  1. 建物の全景
  2. 事務所の入り口
  3. 事務所の内部

内容としては、意外とシンプルですね。

清水

3枚撮影すればOKということですね?ラッキー!

と思いがちですが実は1つ1つの内容がとても細かく、厳格にルールが決められています。以下で1つずつ見ていきましょう。

建物の全景

まずは事務所全体の写真です。自宅兼事務所、テナント(ビルのワンフロア)、自社ビル等に関わらず建物の全体像が分かる写真を1枚撮影します。全体像は高層ビル等の場合、1Fから最上階まで全体が映っている必要があります。

これにプラスして、建物(外)の入り口付近全体が分かる写真を1枚、建物入口正面の写真を1枚撮影してください。テナントとしてビルの一角に入居している場合は、テナント表示の写真も必要です。テナント表示が無い場合は、集合ポスト等で自社名が分かるような写真を1枚撮影します。これらをすべて撮影すると、最低3枚、多い方で既に5程度写真が必要です。

事務所入り口

事務所入り口の写真は、会社名の看板が映るように撮影したものが1枚必要です。〇〇営業所と名前がつく事務所は、営業所名も写るように撮影してください。こちらはシンプルに入口と看板が映ればOKですが、看板と入口が離れていて上手に写真が撮影できない場合や、構造上同じ画角に収まらない場合は行政窓口等へ必ず相談してください。

事務所内部

おそらく、事務所内部の写真の枚数が一番多くなるはずです。事務所の内部が詳しく分かるように、複数枚の写真を撮影します。カーテンやブラインドを開けて、まずは事務所の執務スペース四隅から1枚ずつ撮影します。電話機、コピー機、書類を保管するキャビネットの写真も必要です。応接室が別室等で別れている場合は、応接室の様子も撮影してください。

同じフロア内に、複数の会社が入居しているような事務所の場合は更に写真が必要です。レンタルオフィス等の場合は、同フロアに入居する他の会社との区画分けのが曖昧な物件もあります。建設業許可の営業所要件では会社として独立したスペースを確保できているかが重要ですので、独立性を証明する写真を撮影します。パーテーション等で区切られていればOKですので、きっちりと区画がされていると分かる写真を撮影します。この写真に合わせて、フロア全体の間取り図の添付が必要な都道府県もあります。

小佐田

写真は、申請直前(3か月前まで)に撮影したものに限ります。撮影時期に注意してくださいね。

営業所の写真提出が必要なシーンはいつ?

営業所写真が必要なのは、「新規申請」「変更届(事務所の移転等)」「営業所の新設」を申請する時です。新規申請以外の時は、変更や新設の対象となる営業所のみを撮影すればOKです。

都道府県によって書式が違いますが、東京都は「営業所写真貼り付け用紙」というものに貼り付けして提出します。他県で申請される方も、参考になると思いますのでリンクから東京都の書式をご覧になってみてください。(営業所写真張り付け用紙<PDF>|東京都都市整備局)

許可更新時の営業所写真

都道府県によっては、5年ごとの建設業許可の更新の際にも営業所の写真が必要な場合があります。
東京都は対象ではありませんが、千葉県や神奈川県では更新時にも写真が必要です。近年では福岡県で制度が変更されており、令和3年4月から更新時にも営業所写真を求めるようになっています。長年許可を受けている業者さんは、次回の更新時に写真が必要か、必ずチェックしてください。

行政書士へご相談ください

ひととおり、ご自分で写真撮影をした後「あれ?本当にこれで大丈夫かな?」「誰かに答え合わせをしてもらいたい!」と心配になりませんか?行政窓口へわざわざ相談に行くのも面倒ですよね。そんな時はぜひ行政書士へご相談ください。おさだ事務所は建設業許可専門の行政書士事務所ですので、営業所の写真撮影はもちろん、書類作成のお手伝いいたします。建設業許可取得を全面的にバックアップしますので、迷っている方はぜひお早めにご相談ください。

ご相談内容は更新作業、営業所の追加、許可の新規取得等、建設業許可に関わることでしたらOKです。まずは第一歩を踏み出してみませんか?ご連絡をお待ちしております。(建設業許可|おさだ事務所)

写真の提出が求められる営業所とは?

建設業法では、建設業許可に関わる営業所の定義を明確に定めています。

「営業所」とは、本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいう。

建設業許可事務ガイドラインについて(PDF)|国土交通

建設業許可の申請に関係がある営業所とは、あくまで建設業に関係する仕事をする事務所のみを指します。建設業に関係しない業務のみを行う事務所(総務や人事のみの業務を行う等)は、営業所申請が不要ですので写真撮影は必要ありません。

営業所要件が不安になってきた方は、こちらの記事をチェックしてくださいね。

葛西

営業所写真のポイントはバッチリですか?次は実際の撮影方法について詳しく見てみましょう!

スマホで上手に撮影してみましょう

最近のスマートフォンは一昔前のデジカメと遜色無いか、それ以上のカメラ機能を持っています。手元に便利なものがあるなら、活用したいですよね!今回の写真撮影はぜひスマートフォンを使ってみましょう。

スマートフォンでの写真撮影で一番問題となるのが、逆光や明るさ不足です。きっちりと事務所内部を写真に収めなくてはいけませんので、ブレたり、写真自体が暗かったり、逆光で被写体が影になってしまっては意味がありません。よくある失敗別に対処法を学んでいきましょう。

逆光で被写体が判別しづらい

逆光は、被写体が黒く暗く映ってしまったり、写真全体が白っぽくなってしまう現象です。これは、光の方向に向かって被写体を撮影するときに発生します。逆光を防ぐには、光の方向と同じ方向から写真を撮れば良いのですが、事務所内の写真を撮影したいのに、光の向きを考えていたら必要な写真は撮影できません。逆光を克服するには、カーテンやブラインドで光量を調節するのも手軽で効果的です。しかし営業所の写真はそれらを開けて撮影するのが基本ですので、今回はスマートフォンの操作で逆光を克服しましょう。

逆光の対策

  • HDRを活用する
  • 逆光で撮影後露出補正する

1つ目のHDRとは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略称です。同時に3枚の写真を撮影し、それぞれのいいところを組み合わせて1つの写真に合成する技術です。すごい機能ですよね!難しそうに聞こえますが、これはandroidにもiPhoneにも搭載されています。androidの場合はカメラを起動した画面の上の方にHDRのマークがありますのでそちらをONにしてみましょう。iPhoneはOSによっても異なりますが、androidと同じくHDRマークが出る場合はそちらから、HDRが出ない場合は「設定→カメラ→HDR」の順番でONにしましょう。最新のIOSの場合、HDRが必要な場合は自動で判別されるので、特に設定の必要はありません。


HDRを使っても良い写真が撮れなかった場合には、露出補正してみましょう。一眼レフカメラのように撮影時にも調整できますが、もっと手軽なのは撮影後の露出調節です。iPhoneの場合は撮影した写真を選択し編集を押下すれば、簡単に明るさを変えられます。一番見やすい明るさに設定して保存しましょう。androidの場合は、機種によって異なりますが多くの場合もiPhoneと同じです。ギャラリー(フォトライブラリ)から対象の写真を選択し、編集を押すとフォトエディターが起動しますのでここで明るさを調節します。

葛西

フラッシュ撮影は、被写体だけでなく背景も白飛びするのでお勧めしません。光や露出の調整できれいな写真を撮影しましょう。

手ブレで写真がボケてしまう

おそらく固定電話やキャビネットを撮影するとき等、直立して写真が撮影できる場合に、手ぶれが発生することはあまり無いかと思います。問題は事務所の全体像や、事務所内部全体を撮影しようとして、やや不安定な態勢になった場合です。

清水

背伸びして高いところから撮影しようとすると手が震えて、写真がブレてしまいます!

実はスマートフォンのカメラのシャッターは、シャッターボタン(画面上)を押下したときに撮影するのではなく、指がシャッターボタンから離れたときに撮影しています。ですので、少し無理な体制で撮影する時は、あらかじめ指をシャッターボタンに触れておきます。ベストなアングルにカメラを向けたら、指をそっと離しましょう。シャッターを切る際には指を離すだけなので、腕や手が震えてしまうことはありません。

事務所の写真撮影には関係ありませんが、こちらの方法はペットや子供等の動く被写体を撮影する際にも有効です。とても簡単な方法ですが、劇的に手ブレが減りますのでぜひ試してみてくださいね。

写真を台紙に写真を張り付けよう

事務所の状況にもよりますが、前述のとおり写真を撮影した場合、写真の総数は10枚程度になるのではないでしょうか。撮影が終わったら、あとは既定のPDFに写真を張り付けるだけです。PDFへの写真の貼り付けには、専用のソフトが必要です。無料でダウンロードできるものが沢山ありますが、もっとも有名なのがAdobe Acrobat Readerです。こちらのソフトも、もちろん無料です。既にPC内に入っている方も多いので、今回はこちらのソフトの操作を説明します。
まずはダウンロードから!という方はリンクからどうぞ(Adobe Acrobat Readerダウンロード|アドビ株式会社

ソフトを入手できたら、写真をPDFに貼り付けます。貼り付け方法はとても簡単です。

PDFに写真を張り付けよう

  1. 撮影した写真を、メール等で送ってPC内(デスクトップ等)に保存する。
  2. 貼り付け台紙PDFを先ほどのAdobe Acrobat Readerで開いておく
  3. 貼り付けたい写真を開いて、マウスの右クリック(1回)でコピーを選択。もしくはCtrl+Cでコピーする。
  4. 貼り付け台紙のPDFに戻って、マウスの右クリック(1回)で貼り付けを選択。もしくはCtrl+Vで貼り付け。
  5. 写真サイズが大きくてはみ出す場合は、張り付けた写真の角をドラッグして大きさや位置を調整。

スマートフォンは大丈夫だけれどパソコンの操作は苦手という方は、写真を現像して紙に出力した台紙に直接張り付けても構いません。現在では、コンビニのコピー機で気軽にスマートフォンの写真を現像できます。現像のやり方はマイナビニュースに分かりやすい記事が載っていますので、そちらを参照してみてくださいね。(コンビニで写真を現像する方法|マイナビニュース

まとめ

今回は、営業所の写真の撮影方法と書類作成までをまとめました。営業所の写真は、担当者が現地に足を運ばなくても営業所の様子が分かるようにするための物です。紹介したポイントをおさえて写真を撮影するのはもちろんですが、「ここも撮影しておいた方がいいかな?」と思うような場所や、担当者に見せておきたい箇所があれば念のため撮影しておきましょう。

写真は、はっきり分かりやすく撮影するのが最大のコツです。自然光がきれいに入る時間帯を狙って撮影するのもいいですね。もちろん、どうしても分からないことがある場合は早めに行政窓口や、行政書士へ相談してください。おさだ事務所では、事業規模の大小は問いませんので、一人親方の方も大きな企業の方でもご相談いただけます。ぜひご連絡をお待ちしています!(建設業許可|おさだ事務所


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