営業許可

建設業許可|知事許可から大臣許可へ変更する手続き・必須の3つの要件とは

事業拡大のため、現在本店を構えている都道府県以外に営業所を構えようと検討される建設業者様は多くいらっしゃいます。同時に「知事から受けた建設業許可を大臣許可にしなければならないのは分かるけど、一体どんな手続き?」と疑問に思われる方も少なくありません。

また「大臣許可へ変更する過程で、もし許可期間に空白が出たら困る……」と思い、なかなか手続きに踏み切れない方もいらっしゃるでしょう。初めての事となると、具体的にどう行動すれば良いのか分からないのが常ですし、不安ですよね。

この記事では、知事許可から大臣許可へ変更したい方のために、手続きや許可を受けるための要件、手続きの流れについてお伝えしていきます。

清水

確実にステップを進めたい方は必見です。

建設業許可|知事許可から大臣許可へ変更する場合の手続き

許可業者(知事許可)が本店を構えている都道府県以外に営業所を設営する場合、「許可換え新規」という手続きが必要です。

すでに許可をお持ちの方には再確認となりますが、建設業許可には都道府県知事から許可を受ける「知事許可」と、国土交通大臣から許可を受ける「大臣許可」の2つの区分がありますね。

区分概要
知事許可1カ所の都道府県に営業所を設営(全て同じ都道府県内にある場合もこの許可に該当)
大臣許可2カ所以上の都道府県に営業所を設営
小佐田

営業所を新設したとしても、区分に変更がなければ、変更届を提出するだけで問題はありません。

▼変更届に関しての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

この手続きは、現在許可を受けている許可行政庁を経由し、大臣許可の申請をする事になります。

「許可換え新規」とは

許可には大きく5つの申請区分があり、目的や許可の所持状況によって該当するものを選択し、手続きを進めていきます。

申請区分概要
新規申請新しく許可を受ける際の手続き
許可換え新規申請営業所の新設・増設・移転により、許可行政庁に変更が伴う際の手続き
般・特新規申請一般の許可のみを受けている業者が、新たに特定の許可を申請(もしくはその逆)する際の手続き
業種追加申請現在受けている許可区分(一般・特定)に、新しく業種を追加申請する際の手続き
更新申請既に受けている許可を更新する際の手続き

表にある通り、申請区分の1つであり、管轄する行政庁の変更に伴い、許可を取り直す手続きの事です。

なお、この手続きが必要なケースは以下です。

  • 知事許可から大臣許可へ変更
  • 大臣許可から知事許可へ変更
  • A知事許可からB知事許可へ変更

ケース別に具体例を紹介していきます。

知事許可から大臣許可へ変更

例えば、次に挙げる具体例のような変更がある場合です。

具体例

  • 東京都に本店を1つ有する建設業者が、大阪府に支店を新しく設営する。
  • 神奈川県内に営業所を複数有している建設業者が、その内の1つを群馬県に移転させる。

通常通り新規で大臣許可を受ける時とほとんど変わらない手続きです。

大臣許可から知事許可へ変更

例えば、次に挙げる具体例のような変更がある場合です。

具体例

  • 東京都と長野県に営業所を有する建設業者が、長野県の営業所を全て廃止する。
  • 東京都に本店、埼玉県に支店を有する建設業者が、埼玉県にある営業所を東京都に移転させる。

A知事許可からB知事許可へ変更

例えば、次に挙げる具体例のような変更がある場合です。

具体例

  • 東京都に本店を1つ有する建設業者が、大阪府に移転する。
  • 千葉県内に営業所を複数有する建設業者が、全ての営業所を埼玉県に移転させる。

別の都道府県知事から許可を取り直す手続きとなりますので、よっぽど大きな変更が無いかぎり、難なく許可は下りるはずです。

小佐田

例で挙げたように、営業所に変更がなければ、許可換え新規の手続きは発生しません

東京都の建設業に特化|おさだ事務所へご相談ください

本業の傍ら、ご自身で許可申請を行うというのは、とても骨の折れる作業です。建設業許可を専門にしている行政書士に申請を代行してもらう事で本業に専念でき、時間も短縮できるメリットがあります。

おさだ事務所は東京都の建設業に特化した行政書士・社労士事務所。申請の早さにも自信があります。

葛西

ご相談は無料!許可申請に悩んだら、お気軽にお問合せください。

大臣許可に必須!3つの要件

許可換え新規の手続きにおいても、新規申請と同様に「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」、「財産要件」といった6つの要件を満たしている事が前提です。

▼6つの要件については、こちらの記事で詳しく解説しております。

更に大臣許可を受けるためには、以下3つの要件を満たす必要があります

3つの要件

  1. 営業所の設営
  2. 令3条の使用人
  3. 専任技術者の配置
小佐田

複数ある営業所それぞれに、令3条の使用人と専任技術者を配置しなければなりません。

①営業所の設営

建設業で言うところの営業所とは、工事に関わる受託契約を結んだり、その契約の指導にあたる等、建設に介入する事務所を指します。更に、次の要件に当てはまらなけば、営業所として認められません

  • 看板等があり、一目で事務所と分かる
  • 営業用の事務所として使用が認められている
  • 電話や机、台帳といった事務所としての設備が整っている
  • 居住部分とは明確に分けられており、打ち合わせスペース等がある
  • 支店長や営業所長といった権限のある者が常勤している
  • 専任技術者が常勤している

こうした営業所が2カ所以上の都道府県にある事が、大臣許可の大前提です。

▼営業所の要件については、こちらの記事で詳しく解説しております。

②令3条の使用人

営業所として認められるためには、建設業法施行令第3条に規定する使用人(令3条の使用人)が営業所に常勤で勤務している事が必要です。

第三条 法第六条第一項第四号(法第十七条において準用する場合を含む。)、法第七条第三号、法第八条第四号、第十二号及び第十三号(これらの規定を法第十七条において準用する場合を含む。)、法第二十八条第一項第三号並びに法第二十九条の四の政令で定める使用人は、支配人及び支店又は第一条に規定する営業所の代表者(支配人である者を除く。)であるものとする。

引用元:e-Gov法令検索|建設業法施行令(第三条)

法令には「支配人を除く営業所の代表者」とありますので、例えば支店長や営業所長が令3条の使用人に該当します。なお、令3条の使用人経験があれば、6つの要件の内の1つである「経営業務の管理責任者」になる事が可能です。

清水

欠格要件に該当していない事も重要ですよ。

③専任技術者の配置

前述した通り、複数ある営業所それぞれに配置しなければならないので、大臣許可を受ける上で最も難しいと言われているのがこの要件。本店と支店の2つを有する建設業者であれば、最低でも2人の専任技術者が必要です。

また、配置される専任技術者が持つ国家資格や実務経験に左右されてしまうので、配置された専任技術者が出来ない工事はもちろんその営業所では扱えません。

例えば、本店と支店それぞれに「とび・土工工事業」ができるAさんと「建築一式工事」ができるBさんを配置した場合、Aさんのいる営業所では「建築一式工事」、Bさんのいる営業所では「とび・土工工事業」が行えない……という事態になります。

それでも許可は受けられますが、営業所により行える工事が限られてしまう状況は良いとは言えません。やはり同様の工事が行える専任技術者を配置した方が得策です。

手続きの流れ

手続きの流れとしては、次の通りです。

  1. 本店を管轄する許可行政庁の担当課に申請書類を提出する。
  2. 受付後、担当課から書類の副本が返却される。
  3. 確認資料を本店を管轄する地方整備局へ送付する。
  4. 申請書の正本が②の担当課から地方整備局に送付される。
  5. 約3カ月間、地方整備局にて書類が審査される。
  6. 審査後、地方整備局から申請者へ許可通知書が送付される。
  7. ②の副本と許可通知書を支店を管轄する許可行政庁の担当課へ送付する。

手続き中に許可期限が来たらどうする?

もし手続き中に許可期限が来てしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。

実は、申請受付を済ませておく事で、許可が下りるまでは許可業者として営業できるのです。ただし、手続きの結果が「不許可」だと、許可の無い期間が生じてしまいます

許可が下りる事を見越して許可期間ギリギリに移転および手続きをするのは避けた方が無難です。

まとめ

ここまで、知事許可から大臣許可へ変更する場合の手続きについて解説しました。それでは、要点をまとめます。

要点まとめ

  • 知事許可から大臣許可へ変更する場合の手続きは「許可換え新規」
  • 許可換え新規は営業所に変更が生じた時に発生する手続き
  • 大臣許可を受けるには「①営業所の設営」「②令3条の使用人」「③専任技術者の配置」の3つの要件が必須

知事許可から大臣許可への変更は、特有の3つ要件を満たす必要があるため、難易度の高い手続きと言えます。

「手続きに不安があるけれど、確実に手続きを進めたい!」という方は、専門の行政書士に頼る事も1つの手段ですので、ぜひ検討してみて下さいね。

-営業許可